内容説明
戦後出発から晩年までの佐多稲子の文学と人生。明治・大正・昭和・平成を生き抜いた女性作家の今日的意味を問う。
目次
1 戦後出発と戦争責任問題(「樹々のさやぎ」―敗戦直後の勧善懲悪小説;「私の東京地図」という迷路;佐多稲子の敗戦処理―「虚偽」「泡沫の記憶」を中心に;「夜を背に昼をおもてに」論―婦人民主クラブのことなど)
2 五〇年問題(佐多稲子の五〇年問題―「みどりの並木道」のことなど;「機械のなかの青春」前後―一九五一年党除名と復帰の間に)
3 党復帰から再除名まで(戦後の中間小説―「体の中を風が吹く」「愛とおそれと」を中心に;「歯車」論―非合法時代“正史”としての制約;「渓流」私注―三つの家と背後の闇;「虚偽」その後―「ある夜の客」「年賀状」のこと)
4 党から離れて、そして晩年(「塑像」私注―階級的と、人間的ということ;「重き流れに」「樹影」論―再除名からの反転;「時に佇つ」「夏の栞」論―美しいということ)
補遺(ある時期の堀辰雄と佐多稲子;窪川鶴次郎の文学と佐多稲子;南方派遣と「若き妻たち」のこと;佐多稲子と播磨―姫路・相生・明石、そして西沢隆二;佐多稲子「たけくらべ」論資料について)
著者等紹介
北川秋雄[キタガワアキオ]
1950(昭和25)年滋賀県に生まれる。1974(昭和49)年同志社大学卒業。1983(昭和58)年同志社大学大学院修士課程修了。現在、姫路獨協大学外国語学部日本語専攻教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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