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内容説明
中国国家警察の元締めである公安部をスキャンダルのために辞め、北京で探偵事務所を開業した王梅(ワン・メイ)。持ち込まれた依頼は、文化大革命の混乱のさなかに消失したとされる、漢王朝の伝説となった翡翠の行方を追うことだった。だが、調査を始めた彼女を待っていたのは、かつて自身の家族も巻き込まれた中国現代史の暗部から立ち現われた過去の亡霊だった!ミステリ界初、中国人女性私立探偵、衝撃のデビュー。
著者等紹介
リャン,ダイアン・ウェイ[リャン,ダイアンウェイ][Liang,Diane Wei]
1966年、北京生まれ。幼い頃に文化大革命の「下放」で両親とともに中国奥地の強制収容所で暮らした経験を持つ。北京大学で心理学を専攻するが、学生の民主化運動に参加、天安門事件のあと米国へ移住。カーネギー・メロン大学で経営学の博士号を取得。『翡翠の眼』の前に、天安門事件を回想したノンフィクションを上梓している。現在は夫と2人の息子とともにロンドンで暮らしている
羽地和世[ハネジカズヨ]
1962年生まれ。立教大学文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
27
社会主義国の「私立探偵」といわれても、イメージが湧きにくい。共産国家では、まず国家の利益が優先され、「誰か(何か)を探して欲しい」という個人的な願いを露にしない人達ばかりなのでは?と思ったからだ。ところがそれは大間違い。「私はずっと党の命令に従ってきた。(中略)だが何が手にはいった?希望もないまま立ち往生さ。(p69)」国家よりも個人の思いを重んじるような、こんな言葉が出てくるなんて、中国も変わったものだ。2008/07/04
青嵐
1
過去から現在にいたる家族との確執や過ぎたはずの恋、スキャンダルに好奇の目を向ける世間に心悩ませるアラサー中国人女性探偵が中国で活躍するシリーズというだけでも、一読の価値はある。2010/03/30