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- > ランダムハウス講談社文庫
内容説明
ある人物の策略により、館の地下で発見した作曲者不詳の楽曲を、自分の作品と偽って世間に発表しなければならなくなったダニエル。さらに、雇い主のスカッキが何者かに殺害され、彼は自分の周囲で不可解な力が働いていることを感じ始める。スカッキを殺した犯人を突き止めようとするダニエルだったが…殺されたバイオリニスト、古い楽譜、骨董商の死、そして18世紀に起きた悲劇―すべてに思いがけない結末が待っていた。二つの時代が重なる壮大な物語。
著者等紹介
ヒューソン,デヴィッド[ヒューソン,デヴィッド][Hewson,David]
1953年、イギリスのヨークシャー生まれ。デビュー作のSemana Santa(1996年刊)でW・H・スミス賞新人賞を受賞して以来、イギリスでは9作の長篇を出している人気作家。25歳のときに「タイムズ」紙の記者として働きはじめ、その後、フルタイムの作家に転身。ケント在住。目下、執筆のリサーチのためにイタリアとイギリスを頻繁に往復する生活を送っている
山本やよい[ヤマモトヤヨイ]
同志社大学文学部英文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほちょこ
4
最後まで現在と過去のつながりがはっきりしないまま、終了。読み進めるのにものすごく時間がかかり、かつ、すっきりしない。残念感、満載。2015/05/17
RIN
4
恋と冒険の上巻から一転、下巻は目まぐるしい展開と悲劇に、ひどくもの悲しい読後感。「悪魔」の残虐さより、翻弄される市井の人々の悲しみと虚しさのようなものを強く感じた。上巻の、ストーリーで引っ張る感じから、下巻は心に訴える展開へと。デヴィットヒューソン。他の作品も是非読みたくなった。2011/10/12
星落秋風五丈原
2
殺人事件で幕を開けた下巻はテンポが速い。ルソーも登場するが優れた思想家としての片鱗はない。2013/10/01
たまがぞう
1
恋物語が中心だった上巻から一転し、下巻は現代と1733年の二つの時代の「悪魔」を巡り、サスペンスな展開が繰り広げられる。ヴェネツィアの風景を背に、芸術、歴史、恋、サスペンスが展開され、現代日本人が「ヴェネツィアを舞台にした作品」に求めるものをすべて描き切ったような作品。ただ、「悪魔」の正体は想像通りで、やや肩透かし感はあった。最終章が個人的に一番良かった。2025/04/22
Richard Thornburg
1
感想:★★★ 上巻では緩慢であった話の展開も、下巻に入ってからは動き始めます。 偽り、欺瞞、欲、富が交錯する中で誰が誰を何の目的で殺したのか?も次第に明らかになって行きます。 相変わらず18世紀と現代を行ったり来たりする構成でしたが、街の表情などに違和感がないのはヴェネツィアという街が昔と変わらないからなんでしょうね。2013/04/07