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ようこそ、自殺用品専門店へ

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  • サイズ B6判/ページ数 196p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784270006689
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

老舗の「自殺用品専門店」に大問題発生! 店を営む超ネガティブ一家に、無邪気な明るい赤ちゃんが生まれ、店は経営危機に!?

10代続く、老舗の「自殺用品専門店」。店を営むのは、超ネクラでネガティブ思考のテュヴァッシュ一家。父のミシマと母のルークリースをはじめ、長女のマリリン、長男のフィンセント全員がクスリとも笑ったことがなく、生きる意欲も人生を楽しむ意欲もなく、生活している。
店は、首つりロープ、腹切りセット、毒リンゴ、さまざまな種類の毒薬、深く切れなくても破傷風になれるナイフなど、どんな自殺を希望している人でも、かならず成功する商品を揃え、そこそこ繁盛している。
しかし、そんな一家に大問題が発生する。一家に生まれた末っ子アランが、家族全員とまったく反対の、無邪気で明るい男の子だったのだ。両親の必死の教育にもかかわらず、アランは健やかに明るく、超ポジティブ思考に成長してゆく。そして、「自殺用品専門店」の商品を次々と「自殺できない用品」に変えていってしまう。厄介者の末っ子のせいで訪れた経営危機に、家族は頭を悩ますことに。
だが、性格に問題を抱えていた長男フィンセントも長女マリリンも、アランの明るさと優しさに触れ、徐々に変わっていく。お店にくる客も、そしてついには両親も……。しかし、家族一丸となって「自殺用品専門店」を明るく人々が憩える別の店に変えようと決めたとき、衝撃的な結末が一家を襲うのだった……。
一家の名前がすべて実在する自殺した有名人の名前から取っていたり、ブラックユーモアあふれる自殺用品の数々に思わずニヤリとしながらも、最後には家族愛にホロリとさせられる物語。
本書のアニメーション映画を『髪結いの亭主』のパトリス・ルコント監督が製作中。2012年に公開予定。

【著者紹介】
1953年生まれ。作家、コミック作家、映画作家。1978年に大人向けコミック誌の草分け《エコ・デ・サヴァン》への執筆を始め、同誌の中心作家となる。同誌休刊後、ジャン・ヴォートランの『鏡の中のブラッディ・マリー』を原作としたコミックを出版、1984年のアングレーム国際マンガフェスティバルで連載コミック担当記者協会賞を受賞。その後も数冊の短編集を出版するが、1990年小説家に転向、翌年、処女長篇Rainbow pour Rimbaud(ランボーの虹)を発表する。この作品は1996年に映画化され、著者本人が監督と脚本を担当した。2011年刊行のCharly 9(シャルル9世)まで、13冊の小説を書いている。2006年刊行のJe, Francois Villon(私、フランソワ・ヴィヨン)で伝記物語賞、2008年のLe Montespan(モンテスパン公爵夫人)でパランティーヌ歴史小説大賞を受賞している。本書は著者の異色作としてフランス国内で評判を呼んでベストセラーとなり、14ヵ国語で翻訳出版された。『髪結いの亭主』のパトリス・ルコント監督のアニメーション映画が製作中で、2012年に公開予定。

内容説明

10代続く老舗の「自殺用品専門店」へようこそ!どんな死に方をお望みで?首つりロープ、切腹セット、毒リンゴにタランチュラ。ふつうの死に方から、男らしい死に方、女らしい死に方まで、死を願うすべての人の希望を叶える商品を取り揃えております。店はわれわれテュヴァッシュ家が代々経営していますが、おかげさまで、いつもそこそこに繁盛しています。われわれ一家はこの店にふさわしく、暗く、陰鬱で、笑ったことなど一度もありません。だからこそ、お客様にも信用していただけるのです。長男のフィンセントはいつも頭痛に悩まされ、頭は包帯でぐるぐる巻き。現代のゴッホのような風格です。長女マリリンはものぐさで覇気がないけど、店の雰囲気を壊したりはしません。…なのに、末っ子アランが生まれてから、すべてがめちゃくちゃです!この子がベビーカーのなかで笑うのを見たときから、イヤな予感はしていたんです…フランスでベストセラーになったブラックユーモアあふれる物語。

著者等紹介

トゥーレ,ジャン[トゥーレ,ジャン][Teul´e,Jean]
1953年生まれ。作家、コミック作家、映画作家。1978年に大人向けコミック誌の草分け『エコ・デ・サヴァン』への執筆を始め、たちまち同誌の中心作家となる。同誌休刊後、ジャン・ヴォートランの『鏡の中のブラッディ・マリー』を原作としたコミックを出版、1984年のアングレーム国際マンガフェスティバルで連載コミック担当記者協会賞を受賞。1990年に小説家に転向、翌年、処女長篇Rainbow pour Rimbaud(ランボーの虹)を発表する。歴史を題材にした作品が多く、2006年刊行のJe,Francois Villon(私、フランソワ・ヴィヨン)で伝記物語賞、2008年のLe Montespan(モンテスパン公爵夫人)でパランティーヌ歴史小説大賞を受賞している

浜辺貴絵[ハマベキエ]
フランス語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カナン

62
貴方はどんな死に方をお望みですか? テュヴァッシュ一族が経営するこの老舗に来れば願いは見事叶えられます。二度とお会いすることもない方へ素敵な最期をお約束します。切腹セットに首吊りロープ、タランチュラ、女らしく死にたい淑女にベラドンナ入りのカクテルを、お子様にはヒ素入りキャンディーを。品質品揃え共に文句無しの繁盛店です。嗚呼、店先の揺り籠で、決して聞くことの無いはずの、次男坊の明るく無邪気な笑い声が響いたあの日までは。さぁ、時が来た。生きとし生ける全ての弱者よ、息苦しく醜悪で絶望に溢れた無様な生を謳歌せよ!2016/05/10

barabara

50
何ともインパクトのあるタイトルに出版前から注目していました。フランス小説とは思えぬほどの読みやすさと、パンチの効いたブラックさ、キャラのたった登場人物に、あっという間に完読。内容が内容だけに映画化が心配な面もありますが、小説に関しては健気な末っ子に疲れた現代人はホロリとするはず。子供にはまだ読ませられる内容ではないですが…ラストは衝撃ですがフランス映画らしき結末でもあり、嫌な感じは受けませんでした。かなりの問題作ですがお勧めです。2011/12/06

とりあえず…

48
ブラックユーモアというのは、この世を憂いつつも、それを笑いに変えるパワーを持っていてこそ成り立つユーモア。この作品にはそのパワーがありました。自殺用品を扱うどこまでも陰気な一家がどこまでもポジティブな次男が誕生したことにより変わっていく。底抜けに明るい次男だから気づかないけれど、その小さな背に背負ったものって一体…。 アニメ化された絵を先に見てたのですが、これ程ピッタリな絵ってなかなかないのでは、と思う程の秀逸な絵でした。機会があるならアニメそのものも観てみたい。2015/10/05

yumiha

46
『米澤屋書店』の「大いに笑った」という一文につられたのだが、私は一度も笑えなかった。フランスのブラックユーモアとは相性が悪いのだろう。硫酸雨(怖っ!)が何度も降り注ぐ町にある自殺用品専門店「スーサイド・ショップ」(という題名で映画化されたそうな)を経営する「ミシマ」「ルークリース」夫婦に生まれた子ども「フィンセント」「マリリン」まではよかった(?)んだけど、その後に生まれた「アラン」が何事もプラス思考で悩みの種。それゆえのドタバタ劇だと読み進めていたら、えっ⁉と驚くラスト2行に考え込んでしまった。2022/08/02

TANGO

44
図書館本。ブラックでシュールで、自殺のうんちくやユーモアたっぷり、だけど、最後の1文にぎょっとなった。物語が終わったところから始まる、この家族の物語が気になる。死にたくなったら、一度このお店を訪れることをお勧めしたくなる1冊。2014/04/19

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