出版社内容情報
ゲバラの革命の理想はなぜ潰えたのか? 死体を検分し世界に真相を伝えた医師が膨大な資料と証言で綴った「執念」の決定版伝記!
1967年10月10日、ボリビアのバジェグランデで、医師兼記者だった筆者はチェ・ゲバラの死体と対面した。軍部の発表では、ゲバラは戦闘中に死亡したとされていたが、筆者が見た死体は、まだ死んでまもないものであるのは明らかだった。ゲバラは捕虜になってから射殺されたのだ! 集まってくる記者たちの前で、筆者は公言した。それをきっかけに、ゲバラの暗殺が世界中に知れ渡ることになった。
その後、この発言のために母国にいられなくなった筆者はブラジルへ逃亡する。ゲバラの死の経緯はどうだったのか? ゲバラの革命はどうして潰えたのか? ゲバラとは果たしてどんな人物だったのか? 筆者は初めは国外で、やがて帰国してボリビアで、軍部・ゲリラ側双方の多くの生存者の証言を集め、膨大な資料を渉猟して、ゲバラの真の姿と、その死の真相を再構築していった。
ゲバラ最後の戦いの克明な再現、若き日の知られざるエピソード、キューバ革命での活躍……革命家チェ・ゲバラの新たな人物像を始めて明らかにする、「執念」の決定版ゲバラ伝。未発表写真も多数掲載。
まえがき/著者ノート
第1部 ゲバラ、その死の真実 チェ・ゲバラ――最期の時/チェはなぜ表舞台から姿をけしたのか/ニャンカウアスー/最初の戦い/思いがけない出来事、そして裏切り/バド・デル・ジェソの待ち伏せ作戦/チュロの戦い/嘘、そして隠された真実/チェのデスマスクと両手/誰が? いつ? どのようにして? どこで?/敗北の原因
第2部 ゲバラの生涯 エルネストからチェへ/チェと喘息/ボリビア、ペルー、グアテマラ/メキシコへ/グランマ号/アレグリア・デ・ピオ/祖国か死か/コマンダンテ チェ・ゲバラ/チェとカバーニャ兵営/我らの時代のもっとも完璧な人間
ゲバラ略年表
【著者紹介】
1940年、ボリビアのコチャバンバ生まれ。医学部を卒業後、医師としての仕事のかたわら、新聞記者としても活躍。1967年特派員としてゲバラの取材を行い、ゲバラの死因は暗殺と発表、世界から注目される。身の危険を感じてブラジルへ亡命。1990年ごろからアルゼンチン、キューバ、ボリビアを取材旅行。2000年に本書の原型となる本を出版する。その後、新たな資料や証言を加え、スペインの出版社から本書を出版した。
内容説明
チェの遺体を検分し、その死が暗殺であったことをいちはやく世界に知らせて祖国を追われた著者が、膨大な資料、多数の生存者の証言を集大成して、革命家チェ・ゲバラの「生」と「死」を再構成した労作。知られざるエピソード、未紹介写真を満載。
目次
第1部 ゲバラ、その死の真実(チェ・ゲバラ―最期の時;チェはなぜ表舞台から姿を消したのか;ニャンカウアスー;最初の戦い ほか)
第2部 ゲバラの生涯(エルネストからチェへ;チェと喘息;ボリビア、ペルー、グアテマラ;メキシコへ ほか)
著者等紹介
アルセ,レヒナルド・ウスタリス[アルセ,レヒナルドウスタリス][Arze,Reginaldo Ustariz]
1940年、ボリビア、コチャバンバ市生まれ。マジョール・デ・サン・シモン大学医学部卒業。1962~1967年、医師としての仕事のかたわら、プレンサ・リブレ紙の記者として働く。1967年特派員としてチェ率いるゲリラの取材にあたる。チェの死因は、ボリビア政府と軍が発表した戦闘中の死ではなく暗殺であるという事実をいちはやく世界に伝える。のちに、この発言によって身の危険を感じてブラジルへ亡命。1990年末から、アルゼンチン、ボリビア、キューバへと足を運び、チェについての著作を始める
服部綾乃[ハットリアヤノ]
翻訳家。清泉女子大学文学部スペイン語スペイン学科卒。コレッヒオ・デ・メヒコに留学
石川隆介[イシカワリュウスケ]
1974年メキシコ、グアダラハラ生まれ。カリフォルニア大学バークレー校でラテンアメリカ文学博士号取得。慶應義塾大学総合政策学部特別招聘講師を経て、カリフォルニア州立大学フラートン校准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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takao
月光密造者