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東アジア叢書
ハイブリッド日本―文化・言語・DNAから探る日本人の複合起源

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784270006580
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0020

出版社内容情報

はたして日本人は単一民族か? 最新の遺伝子研究など様々なアプローチから浮かび上がるその複合的実像

これまで日本人の起源に関しては、形態学的な二重構造論、すなわち、「縄文系先住民集団に弥生系の渡来集団が加わり、日本人の原型が形成された」という説が有名であった。この説を踏まえつつも、最近の遺伝子研究によるミトコンドリアDNAやY染色体DNAのハプロタイプ分析や、言語年代学による言葉の成り立ち、さらに宗教やライフスタイルなど文化現象を詳細に分析すると、日本人のルーツや成立プロセスが、想像以上に複合的なことに、読者は驚くだろう。

1. 日本人・二重構造モデルと朝鮮半島
埴原和郎「二重構造モデル」/一様ではない「渡来人」・王仁博士・新羅と関わりのある「白」、八坂神社・八坂神社の祭神はスサノオではなく、牛頭天王だった・地名、姓から見る移住の痕跡・漢織(あやはとり)、呉織(くれはとり)・山東半島経由の通交

2 稲の道と玄界灘交流圏
菜畑遺跡・楊家圏遺跡・玄界灘交流圏・日本の鉱産物・韓国側から出る倭人の遺物・日本語の系統・玄界灘交流圏.言語・倭語と韓語・日本語と高句麗語

3 「縄文商人」と旧石器時代人
リンガ・フランカ/興隆溝文化と三内丸山/結合式釣り針/日韓両言語の比較研究/ハプログループA5/華北人と華南人/稲作民の別ルート/『呉志』の亶洲と済州島/済州島人のDNA/旧石器、縄文の混血/アンダマン語/日本語は旧石器時代. 言語に由来?/Y染色体Dグループの拡散、分離

4 文献に見る混血の物語
ニニギとコノハナ、イワナガの婚姻譚/オオヤマツミの神/イワナガ姫/日向神社/青銅鏡の職人と出自/青銅鏡職人の末裔/漢文の書き手/王辰爾の子孫たち/道昭

5 血統の混血・文化の混血
血統の断絶/皇位を巡る暗闘/裏切り者への猜疑/鬼室集斯/近江の鉄/百済王氏/ナショナリズムと外国人忌避/藤原氏の権力独占と卓越した部外者の排除/銅鏡・橘逸勢・道真/文化と遺伝

6 少なくなったがなくならなかった混血
国際都市博多/謝国明/樟葉西忍/魏天など/文禄・慶長の役/脇田直賢/東郷茂徳/フェレイラ、キアラ/鄭成功/深見玄岱/鉅鹿家/長崎の混血児 ラナルド・マクドナルド  

7 近現代の混血
ラフカディオ・ハーン/明治維新と混血/国籍管理事始/近代日本の国籍法/大日本帝国の越境結婚・国際結婚/現代の国際結婚/文化的混血の問題/移民社会とは/文化的混血と遺伝子混血 結びに代えて

【著者紹介】
1948年長野県生まれ。東京大学教養学科ドイツ分科卒業、同大学院比較文学比較文化博士課程中退。専門は比較文化論及び日韓文化交流史。古代からの日本と朝鮮半島との関係史などの論考が多い。80年東洋大学文学部助教授、87年国際日本文化研究センター助教授、同教授(現在は客員教授)などを経て、97年に帝塚山学院大学文学部教授、同副学長。2009年より大手前大学教授。

内容説明

日本人はどこから来たのか、日本民族は本当に単一なのか。こうした疑問に明解に且つ科学的に答える。日本人のこれからを考えるための絶好の書が登場。

目次

第1章 日本人・二重構造モデルと朝鮮半島
第2章 稲の道と玄界灘交流圏
第3章 「縄文商人」と旧石器時代人
第4章 文献に見る混血の物語
第5章 血統の混血・文化の混血
第6章 少なくなったが、無くならなかった混血
最終章 近現代の混血