6人の容疑者〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 367p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784270006030
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

自分そっくりの貧しい娘に、人生を乗っ取られていく人気女優。大金を偶然拾ったことで、身分違いの恋に落ちた携帯泥棒。殺人を犯した息子の尻拭いに追われる大物政治家―殺人現場という一点で交差した、まったく異なる6人の人生。なぜ、彼らは銃を手にしなければならなかったのか?貧富の差、カースト差別、政治腐敗、汚職…現代インドという舞台がもたらした奇跡と転落。そして殺人の動機とは。

著者等紹介

スワループ,ヴィカース[スワループ,ヴィカース][Swarup,Vikas]
インド北部ウッタル・プラデーシュ州生まれ。弁護士の家庭に育つ。アラハバード大学で歴史学、心理学、哲学を学んだ後に外交官となり、トルコ、アメリカ、エチオピア、イギリス、南アフリカに赴任。現在は総領事として、日本の大阪に赴任中。デビュー作となる『ぼくと1ルピーの神様』は40ヵ国語以上に翻訳され、全世界で絶賛された。ダニー・ボイル監督によって映画化され、アカデミー賞を初めとして、50以上の映画賞を受賞し話題に

子安亜弥[コヤスアヤ]
南山大学外国語学部英米学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆきちん

42
6人の容疑者の動機、証拠が語られるなかで、それぞれの容疑者が絶妙に交錯して、解決編へ。インドの現状や問題点を存分に描いて、理不尽で哀しくてやりきれない。犯人はというと意外な結末。「僕と1ルピーの神さま」は超えれてないかな。ラストが爽やかで前向きでないせいもあるかも知らないけど…途中はドタバタ劇みたいで面白かったんだけどな。2018/04/28

空猫

28
下巻は一気に加速。容疑者6人が殺人現場に集まった過程が描かれ、衝撃のラストへ。あぁ…エケティ…(ノω・、)。この作者は自ら作り上げたキャラ達への視線は皮肉たっぷりでとても冷たい点が魅力的だ。そして、きっと書きたい事が沢山有りすぎて仕方がないのだろうな。ミステリとしてより社会風刺たっぷりの人間ドラマ。そんな1冊だった。2020/03/12

とんこ

26
いい人にいい結果、悪者に悪い結果…というわけでもなく、それなりだったり、良すぎたり、辛かったり、希望があったりのラスト。官僚の腐敗や差別、貧困が色濃く描かれるけど、インド社会への作者の怒りだけでなく愛を感じるせいか暗くはない。西原理恵子さんの漫画でも見た「男でも女でもない」ヒジュラが出てきて興味深かった。インドの問題点だけでなく、風土や文化も自然に入ってきて、また次作を読みたい作家さん。 2023/07/01

うさみみ

17
大物政治家のどら息子ヴィッキーが射殺された。容疑者は六人。それぞれが異なる拳銃を持っていた。果たして犯人は誰なのか?インドの根深い性差別的意識や性犯罪、根強く残る身分制度、貧困層と富裕層の圧倒的格差、資産家-警察-政治の腐敗と癒着など「不正義がまかり通る国」のありさまが容疑者たちのストーリーから浮き彫りとなっていく。それぞれ異なる背景を持った人物たちは一体現場までどんな道筋を辿り、誰がどんな動機を抱いていたか。テーマ性の異なる六つの物語が徐々に繋がっていき決着点に至ってなお目が離せない。良作。2020/06/05

zoros

16
面白かった。けど、ミステリとしては最後は詰め込み消化不良気味。事件解決に動く話より、容疑者6人がそれぞれ人生を語る6ストーリーの方が面白い。 『忘れるな。この国は奇妙で素晴らしい場所だ。お前はここで最高にすばらしい人間と出会うかもしれないし、最低なやつらと出会うかもしれない』のセリフが印象的でした。 物語の中でも最低の奴と素晴らしい人間が交差して、豪華さの中に目をそむけたくなるような身勝手で残酷なことがあり、貧しさや醜さの中に震えるほど美しい行いがある。 2017/11/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/638743
  • ご注意事項

最近チェックした商品