内容説明
ジャンボ機は東京へ向かっていた。ところが急な悪天候により、航空機はとある国に臨時着陸した。行き場の見つけられなかった乗客十三人は、空港で一夜を明かすことに。閑散とした空港の片隅で、男女十三名は身を寄せあい、退屈しのぎに「夜話の会」を開くことになった―それが、奇妙な世界への入り口だとも知らずに。
著者等紹介
ダスグプタ,ラーナ[ダスグプタ,ラーナ][Dasgupta,Rana]
1971年イギリスに生まれ、ケンブリッジで育つ。その後フランス、マレーシア、米国で暮らし、2001年よりインドのデリーに住む
白川貴子[シラカワタカコ]
国際基督教大学卒。中南米や北欧に17年間在住の後、英語、スペイン語を中心に出版翻訳に携わる
中村有以[ナカムラユイ]
翻訳家。1980年、神奈川県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふくさん
1
何とも脈略のない奇妙なお話。設定にも必然性が無くオチもどうってことはない。 ひとつひとつの話も優劣の差を感じる。コスモポリタンな著者の野心作と言えなくもないも。翻訳者の見解も伺いたい。消化不良の一遍。2014/06/24
satooko
1
ひとつひとつはそれなりに、あるいはけっこう面白い話だけれども、この設定で(悪天候飛行機待ちで空港での一夜)、こんな練った話ができるのか、心身とも疲れているのに睡魔を忘れるほどの話なのか、物語の設定に無理を感じる。13の話は当然バラバラで、寝る前にひとつずつという読み方しかないような(確かに帯には新世紀のアラビアン・ナイトと荒俣宏は言っているが)。71年英国生まれ、仏、,マレーシア、米在住を経て、現在はインド暮らしの著者の目一杯の処女作ということか。いらぬお世話だが、この後どんなものを書くのだろう。2009/04/30
すけきよ
1
空港で出会った13人の退屈しのぎの夜話。それぞれの話は、変な設定から始まり、その設定とあまり脈絡なく、また違う変なオチで終わる、という変な話ばかりで、なかなか楽しめるんだけど、それぞれを縦に貫く軸というか、奥行きがないので本当に変な話を並べただけでおしまいなのが残念。それとも、世界を共有しているという考えこそが幻想で、奇妙に聞こえる話は話者にとっては現実。各人が生きている世界はばらばらで、たまたま空港での一夜が接点になっただけとか?2009/03/23