円仁慈覚大師の足跡を訪ねて―今よみがえる唐代中国の旅

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  • サイズ A5判/ページ数 245p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784270002636
  • NDC分類 188.42
  • Cコード C0015

内容説明

838年、最後の遣唐使として大海を越え、唐に渡った天台宗の高僧・円仁(のちに慈覚大師)。五台山で最高峰の密教を学び、国際都市・長安で世界の人々と交わり、廃仏毀釈の実態を目撃した彼は、9年間におよぶ詳細な旅の記録を『入唐求法巡礼行記』に綴っていた。それから1200年あまりのち、『入唐求法巡礼行記』はエドウィン・O・ライシャワー元駐日大使の著作によって世界中に伝えられ、現在では世界的名紀行文のひとつに数えられている。このライシャワーの研究に触発されたアメリカ人女性、阿南・ヴァージニア・史代は、円仁の足跡をくまなくたどることを決意する。25年の歳月を経てついに完結した彼女の旅の記録からは、悠久の歴史ロマンと、現代中国の息吹が鮮やかに浮かび上がってくる。

目次

円仁と遣唐使節団、唐国に到着
揚州に滞在する
運搬船で楚州へ
黄金を渡って海州から乳山へ
赤山の新羅人による庇護と助言
蓬莱で通行許可証を待つ
円仁青州府で歓迎される
禮泉寺から黄河への行路
唐代の道南宮から曲陽へ
太行山脈を越えて
古代の道と宿泊施設「普通院」
五台山での円仁(1)「竹林寺」
五台山での円仁(2)高僧との出会い
五台山での円仁(3)五台山巡礼
五台山を後にする
円仁の通った太原への道
太原府で盂蘭盆会を巡る
汾河に沿って続く旅
長安での円仁(1)経典と儀式を学ぶ
長安での円仁(2)国際都市の宗教儀式
長安での円仁(3)廃仏毀釈
迫害を逃れて長安を脱出
帰国の船を探す
円仁の帰還

著者等紹介

阿南,ヴァージニア・史代[アナン,ヴァージニアフミヨ][Anami,Virginia Stibbs]
歴史研究家。1944年、米国に生まれ、1970年に日本国籍取得。夫君は外交官・前駐中国日本大使阿南惟茂氏。夫とともに北京に3回駐在。アジア学(東アジア史・地理学専攻)によって修士号を取得し、現在、日本のテンプル大学で中国史を教える。20年以上にわたって円仁日記を研究、現代中国に9世紀の行路を追跡してその成果を写真に収録。円仁自身に関する研究も、雑誌『中国国家地理』『人民中国』『法音』などに発表している。NHKのドキュメンタリー『円仁五台山・長安への道』『円仁・大唐国旅日記』の制作に協力、出演した。日中両国各地で多くの写真展を開催、講演にも精力的に活躍中

小池晴子[コイケハルコ]
早稲田大学卒、イギリス近代文学専攻。日本観光通訳協会会員、翻訳業。観光通訳、海外旅行旅程管理者を経て1986年より東邦学園短期大学講師、国際プログラム担当。1993年より5年間、北京連合大学旅游学院にて「日本語」と「観光学」を教える。訳書の他に、著書や旅行エッセイなどがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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まーくん

78
838年、最後となった遣唐使の一員として波頭を越え大陸に渡った天台宗の高僧・円仁(後に天台宗座主・慈覚大師)の巡礼の旅。その詳細な記録『入唐求法巡礼行記』は1200年近く後、ライシャワー・ハーバード大教授(元駐日大使)の著作により世界に広く伝えられ、世界的名紀行文として知られる。このライシャワー教授の研究に触発された米国人女性・阿南ヴァージニア史代は円仁の足跡を辿ることを決意、80年代から25年の歳月をかけ成し遂げる。彼女が旅した中国は経済発展の直前で、円仁が見たであろう風景が見れた最後の機会であった。⇒2023/12/17

中津川文美敏

1
入唐求法巡礼行記を読む前に読んでしまいましたが、読みやすく、大変面白く読めました。そしてすぐに入唐求法巡礼行記を読みたくなりました。 2015/05/26

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