内容説明
階級差のない平等な社会という永遠の理想を掲げて誕生した共産主義。マルクスとエンゲルスが打ち立てた綱領はレーニンによって体制へと発展し二十世紀の歴史を大きく揺るがしていった。莫大な数の犠牲者を生み出しながらソヴィエト連邦の解体という終幕へと向かった“失敗”の原因は何だったのか?今なお世界情勢に余波を残す人類の一大実験を振り返りその錯誤の本質を検証する。
目次
第1章 共産主義の理論と綱領
第2章 レーニン主義
第3章 スターリンとその後
第4章 西側諸国における受容
第5章 第三世界
第6章 振り返って
著者等紹介
パイプス,リチャード[パイプス,リチャード][Pipes,Richard]
ハーバード大学歴史学名誉教授。レーガン政権時の国家安全保障会議でソ連・東欧問題顧問を務めるなど、冷戦期のアメリカ政府において重要な役割を果たした
飯嶋貴子[イイジマタカコ]
1967年生まれ。サンフランシスコ州立大学大学院人文科学/比較文学専攻修了。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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川越読書旅団
48
スターリン、毛沢東、そしてポルポト、やはりマルクスが提唱する真の意味での共産主義国家の実現は机上の空論でしかないのであろう、、、。2016/09/29
greenman
4
マルクス・エンゲルスの提唱した「科学的社会主義」は人間と社会をあるべき理想に到達させようとしたが、その試みは失敗した。レーニンの徹底性、独善性、そして憎悪はソヴィエト・ロシアをつくる原動力になり、共産主義は人類の到達点になるはずだったが、そのロシアでは未曾有の虐殺や混乱が起きた。なによりレーニン主義はマルクス主義から逸脱していて、その両方共科学的ではなかったのだ。著者のリチャード・パイプスはアメリカの政策立案者だったが、彼のキューバへの見方が意地悪くアメリカのキューバに対する苦々しさがかいまみえる。2011/10/27
キスイ
1
共産主義思想ではなく実態に迫るような内容。共産主義を掲げた国(この本では特にソヴィエト)がどのように体制を確立し、それを守ろうとし、何故失敗したかを検証する。2012/06/13