内容説明
ホーソーンのロマンス世界への多元的な旅。15のまなざしがロマンスの迷宮を照らし出し、ホーソーン文学に鋭く迫る。日本ナサニエル・ホーソーン協会九州支部研究会が13年間の研究活動を総括し、新たな活動の出発点として編集した論文集。
目次
第1部 長編作品論(革命を呼び込む移民の行方―チャールズ・クライツァーの言語理論と『緋文字』;『緋文字』のゴシシズム;もう一つのファミリー・ロマンス―ハウスキーピングの物語として読む『七破風の家』 ほか)
第2部 短編及びその他の作品論(主人公の成長と“影”との関わり―イルブラヒムからディムズデイルへ;家庭の中の子どもたち―「雪人形」と「ちいさなアニーの散歩」における子ども像;女性の身体を見る視線―「痣」とホーソーンと同時代の女性たちの言説 ほか)
第3部 ホーソーンとゆかりの作家たち(ポー、ホーソーン、ダゲレオタイプ―真実の露出と魔術的霊気のはざまで;メルヴィルとホーソーン―『クラレル』と「哀悼詩」にみるヴァイン;ディキンスン、フラー、ホーソーンの理解者としてのヒギンスン ほか)
特別編 紙上シンポジウム(我らが創造主ナサニエル・ホーソーンを囲んで)