感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HODGE
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1900年前後に発表された読み応えのある──ジェイムズらしい歯応えのある短編集でどれもすごく面白かった。とくに『ホルバインの絵の女性』。自分の容貌、年齢、声のアクセントなどを社交界でより引き立てるために「引き立て役」という召使のような女性をアメリカから「調達」する夫人の話なのだが、語り手はその夫人の肖像画を描こうとしている画家、という設定でまず物語が屈折する。しかもその画家は「過剰な想像力を持った観察者」で「本物の淑女」よりも「引き立て役」の方が「絵になる」と持論を展開する。物語はますます屈折する。2016/07/18
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