感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
14
買い本。混沌に穴をあけたら死んじゃった!(荘子) 混沌に顔を描いたらぶっ飛んで常識無くしてしたい放題!で、やっぱり死んでしまった。人を呪わば人形だらけ。うむむ諸星ワールド、これを読んだら、栞と紙魚子やムルムル、ああそして阿鬼ちゃんにも会いたくなってしまった。さてどうしよう。2015/10/29
T.Y.
11
表題作は既読だが初読時以上に傑作を感じた。顔なき神・混沌は顔を得て人界に下り、様々な感覚や感情を知って「人間」となり死ぬ…顔と名前を得て、他者と出会い「何者かになること」と死というテーマ、そして『荘子』の話を漢の武帝時代の宮廷ドラマに嵌め込み東方朔を絡めるこのセンス。「鵬の墜落」も『私家版鳥類図譜』からの再録だがあまり記憶なし。描き下ろしの「羿 日輪を射る」は太陽を射落とした弓の達人の話。中国神話ネタだがさらっと恐竜の絶滅とか言うセンスが素晴らしい。ただ悪くはないがやはり頁数少ないな。2015/10/26
アズル
9
諸大の中国シリーズ。元のお話を知らないのですが、人々の翻弄される姿、主人公・混沌の末路、仙人二人の飄々とした感じが、チャイナ!という印象でした。不思議な中国のお話に、不思議なものなら何でもござれ!な諸大の組み合わせの妙! 何度も読み返したくなります。2018/04/16
シガー&シュガー
9
天地開闢以来、思索を続けてきた「混沌」という神に(のっぺらぼうなので)目鼻をつけたら俗界に降りてしまい、ついには人間のように死んでしまったというちょっと無残なお話。目・鼻・耳があるから思索の邪魔になるとか、思索以外したことがなく純粋だったためあっという間に悪にも善にも染まってしまうとか、いろいろ考えさせられる無面目。個人的に、混沌がなまじイケメンの顔を与えられたので哀れさも倍増しました。諸星作品はすらっと全てを理解することが出来ないので、何度も読み返せます。また近いうちに。2016/08/29
まめむめも
8
初読。面白かった。諸星作品で初めて一冊読めた。元ネタがどんななのか気になる。2015/11/26