出版社内容情報
孔明は持久戦のかまえで五丈原に陣を移した。あくまで戦おうとする孔明に、仲達は不戦の姿勢を崩さない。病に倒れた孔明は、天文を仰ぎ自らの命脈が尽きたことを悟る。孔明は兵法の奥義を姜維に与え、馬岱には魏延が謀反を起こした時の策を教え、楊儀に後事を託す。孔明は最後に“死せる孔明、生ける仲達を走らす”の秘策を皆に授ける。
目次:
五十杖の刑/女服と飾り/星に祈る/秋風五丈原/角の夢/死せる孔明 生ける仲達を走らす/棧道を焼く/魏延謀叛/魏延の最期/孔明の遺言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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51
【死せる孔明、生ける仲達を走らす】軍師にとって、自分の死までも作戦に用いる。関羽や張飛だけでなく、劉備玄徳も失った諸葛孔明。老いた彼は寿命を12年伸ばす術を行う。その結果は?彼にとって最大の失敗は馬謖の起用。赤壁の戦いで奇跡を起こした彼も、人を見る目がなかった。仲達は流れ星を見て孔明の死を知る。しかし木像の孔明を見て策略と判断。結局、仲達は孔明に一度も勝てない。孔明の死は蜀の滅亡を意味していた。三顧の礼で玄徳の軍師になった彼は自分の生き様に満足しただろうか?思えば曹操のニセ手紙事件が運命の分かれ道だった。2020/08/06
わたー
15
★★★★★乱世を駆け抜け、知略では右に出るものがいなかった名軍師、諸葛孔明の死。亡き劉備の悲願、漢王朝の復興をついに果たすことなく世を去るという彼の無念はここまで読んできた者の胸をつく。2020/03/30
できるだけ
12
仲間の孔明に倒されそうになった魏延の怒りを静めるために馬岱が官位剥奪、50杖の刑。更には魏延の部下となる。そんな馬岱の強靭さに惚れる。その後、諸葛亮孔明が五丈原にて天命を全う。有名な「死せる孔明生ける仲達を走らす」により蜀軍は無事退却するも魏延が叛乱を起こす。そして漢中にて退却軍の指揮官、楊儀は孔明の遺言に従い、魏延に「わしを殺せるものがあるか!」と三度叫べば漢中をそのまま引き渡すと約束する。魏延「わしを殺せるものがあるか!」馬岱「ここにいるぞ」魏延「なにっ」馬岱、魏延を凪ぎ払う。馬岱マジでカッコいい。2020/02/13
みゃーこ
11
孔明の死…五虎大将軍の死。それぞれ英雄の勇姿を思い出し、涙なしには読めない。孔明ありがとう…。と本を閉じたいところだ。吉川英二の作品では孔明の死をもって三国志は終えられているが横山光輝作品はまだ続く。あとは惰性で読む。孔明の亡骸を恐れてシバイが逃げるシーンがすごかった。さすが孔明だ。死んだ後のことも冷静に戦略を立てて蜀を守ろうとしている。また、馬タイ将軍が魏延を討つところも最高に良かった。三国志ってまさにロマンだな~。孔明お疲れ様。2012/12/03
しの
7
もう、破滅への道のり始まっちゃった。孔明の死が、意外に自分に響いたことに驚きました。2017/03/12