感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
at-sushi@ナートゥをご存知か?
58
図書館で一気&初読みw 仏典に何の予備知識も無く、結構著者の創作部分が多い事を知り、それが見事に物語世界に深みを与えており、改めてストーリーテラーぶりに驚嘆。「聖☆おにいさん」で仏陀が感涙していたとおり「手塚治虫、スゲエよ」としか言い様が無い。なんなら一家に1セット常備しておくべきレベル。 こんなディープな長編ドラマが商業漫画誌に連載されてたってのも今じゃ考えられんわ。2021/06/15
Nao Funasoko
46
この夏ははじめての経験を含むいくつかの仏事をおこなってきたことで法話を聞いたり宗教について考えたりする機会が多かった。それは、「なるほど、そういうことだったのか」という気づきや発見もあり新鮮な出来事でもあった。そんなこともあり久しぶりに本著を再読。作品の出来栄えについて今さらあれこれ書くこともあるまい。呉智英、大沢在昌、村上知彦、北杜夫、筑紫哲也、大林宣彦、夏目房之介、坂崎幸之助、岡野玲子、なだいなだ、萩尾望都による各巻の解説も一読の価値あり。やはり、この夏に読み返してよかったと思う。2018/08/16
にし
38
人の愚かさと尊さを悟り生涯を教えに生きたブッダ。漫画などと侮れません。生きる事が修業なんですね。自分の煩悩はなくなりそうにないけれど、読了後何か一つでも気付ければ幸いです。解りやすくする為に仏伝とはかかわりないキャラクターもかなり登場するようだけど手塚先生は「僕なりの仏教感をぶつける」と連載を12年間も続けられた。天才手塚治虫を体感できる大作です。2013/09/19
AICHAN
36
再読。この漫画では釈迦(ゴータマ・シッダルタ)を悩み多き虚弱な人間として描いている。釈迦は生老病死の四苦を解決するにはどうしたらいいか悩み、王子という地位と妻子を捨てて出家する。今の世でいえば皇族が出家するようなものだ。今なら無責任のそしりを受けるだろう。しかし、時は2,500年も前のインドである。多くの人が出家して苦行に打ち込んでいた。それを地でいくのが現代のオウムだろう。瞑想を続けていると脳内で化学変化が起こり、光が見えたりするらしい。オウムがなくならないのは、そうした現象が実際に起こるからだろう。2021/11/04
小木ハム
30
700作品目。最後まで通して読むのはこれが初めて。ブッダ(目覚めた人の意)もひとりの人間であり、生まれてから死ぬまでずっと悩んでいた。悟りを開き沢山の人に教えを説いた後も、人間は争いをやめられなった。権力化して乗っ取ろうとする者、祖国の復讐を果たそうとする者、体面に縛られ隣国を滅ぼそうとする者…彼らの中には常に欲望(悪魔=マーラ)が潜んでいた。悪魔を退ける方法は自らを"木"に変える事である。木は何も感じず、ただ時の流れに身を任せる。草や虫、魚や鳥や動物たち、人の命はひとつに繋がっていると知り、身を委ねる。2021/11/18