Z線上のピエタ

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Z線上のピエタ

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  • サイズ 46判/ページ数 232p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784267025174
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

著者自らがウクライナでの取材を経て書いた力作小説!

ウクライナの義勇兵として亡くなった息子の真相を知るために、母は海を渡った。

見慣れない国番号とともに、国際電話がかかってきた。
ウクライナの日本大使館からだった。
「新里亮さんが亡くなりました」
うちの子が死んだ。ウクライナで?なぜ?
最初に連絡を受けたときは、ボランティア活動にでも
従事していたのかと想像した。
亮はどこで何をしていたのかと訊ねた。
答えは、思いもしないものだった――。


【目次】

内容説明

+380―見慣れない国番号とともにかかってきた国際電話。ある日、息子が亡くなったという国際電話が。発信先はウクライナの日本大使館からだった。うちの子が死んだ。しかも、ウクライナの戦地で…。理解が追い付かない恭子は、わが子と過ごした日々を振り返る。―わたし、いったいどこで間違えたのだろう?息子の死の真相を確かめるために、恭子は一人、いまだ戦争が続くウクライナへと向かった。そこで出会ったのは、やはり息子を亡くしたもう一人の母親だった。ロシアのウクライナ侵攻によって運命を翻弄された母と子の物語。戦渦のウクライナを訪れて綴った衝撃の話題作!

著者等紹介

宮内悠介[ミヤウチユウスケ]
1979年東京都生まれ。92年までニューヨークのウクライナ人街で育つ。早稲田大学第一文学部卒業。2010年に短編「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞選考委員特別賞(山田正紀賞)を受賞。12年に同作を含む連作短編集『盤上の夜』を刊行しデビュー、同作で第33回日本SF大賞を受賞。13年に『ヨハネスブルグの天使たち』で第34回日本SF大賞特別賞、17年に『彼女がエスパーだったころ』で第38回吉川英治文学新人賞、『カブールの園』で第30回三島由紀夫賞、18年に『あとは野となれ大和撫子』で第49回星雲賞(日本長編部門)、20年に『遠い他国でひよんと死ぬるや』で第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞、24年に短編「ディオニソス計画」で第77回日本推理作家協会賞(短編部門)、『ラウリ・クースクを探して』で第11回高校生直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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やすらぎ

136
ここでなにをしているのか。ある目的のためにウクライナに降り立った一人の高齢女性、新里恭子。どんなことがあっても覚悟する、その強い決意も突きつけられる現実。変わっていく自分を感じながらも、かすかな望みを閉ざさないために危険な道を進むしかない。立ち止まれば消え去ってしまうのだから。理由もなく殺される。それが戦争。そうかもしれないけれど理由を知りたい。この思いをしているのは私だけではない、そう思えるだけでも心は救われる。ミラ、会うべくして会えたのかもしれない。月刊「潮」で連載されたドキュメンタリーのような小説。2026/09/05

ナミのママ

79
息子が亡くなったという国際電話はウクライナの日本大使館からだった。成人した息子の私生活は知らないことの方が多いだろう。70歳を過ぎた主人公の恭子はその思いを抱えながら、杖をつきポーランドに入国する。そこからキーウへ。ためらいがちな恭子だが、同じく息子を亡くしたミラと知り合い行動を共にする。2人の息子を亡くした母の思いが切ない。作者はウクライナで現地取材をし、この作品を書き上げたようだ。戦時下でも人は生活している。心に傷を負った者もいる。フィクションかノンフィクションか、境目がわからない緊迫感のある作品だ。2026/09/13

keroppi

66
宮内悠介さんは、ウクライナを訪れていたのだ。現地に行かないと書けないような情景描写が続く。そこに生きる人、戦争で亡くなった人、リアルに感じてくる。そこに戦地で亡くなったという息子の姿を追う年老いた母。戦争への怒りを超えて響いてくる悲しみ。宮内悠介さんは、ニューヨークのウクライナ人街で育ったという。その生い立ちから、ウクライナを訪れずにおれなかったのだろうし、この小説を書かずにおれなかったのだろう。#NetGalleyJP2026/09/12

seacalf

31
何故自分の息子がウクライナの義勇兵として戦い、そして亡くなったのか。日本人とアメリカ人の母2人が協力し合いながら、その謎を解き明かすべく戦火の現地で奔走する。残された家族、兵士、危険に晒されている国民、まさに今、こうした惨劇が行われているウクライナの人々の息遣いが聞こえてくるような生々しい読書体験だった。恭子やミラ、傷ついた兵士の心情がとても丁寧に描かれており、果たして自分だったらどうするだろうかと自問せずにはいられない読書だった。#NetGalleyJP2026/10/04

りらこ

28
親子関係は難しい。「どこで間違えたのか」親は子の行動が理解できないとそう考える。子は親とは別の人格。どのような人生であってもそれは本人の選択であり、親の作り出した環境だけに起因するものではない。わかっていても、自分から産まれた我が子は分身のように思う部分も常にある。だからピエタ像を見ると心が抉られる。 自分の生まれ育った国から外れ(Z線)、異国で戦うこと(Z戦⁼対ロシア)で自分を自分で背負ったであろう二人の若者についての情報の少なさと、息子を失った母たちの慟哭(ピエタ)の大きさ。一気読みしてしまった。 2026/09/22

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