目次
第1章 乱世を生き延びるための「史観」
第2章 歴史から読み解く日韓関係
第3章 大航海時代と重商主義の時代
第4章 天下統一への野望
第5章 織田信長「時代に呼ばれていた男」
第6章 豊臣秀吉の光と影
第7章 「パクス・トクガワーナ」の完成
第8章 現代に生きる徳川家康
著者等紹介
安部龍太郎[アベリュウタロウ]
作家。1955年福岡県八女市(旧・黒木町)生まれ。久留米工業高等専門学校機械工学科卒業。東京都大田区役所勤務、図書館司書として働きながら小説を執筆。90年に『血の日本史』で作家デビュー。2005年に『天馬、翔ける』で中山義秀文学賞を受賞。13年に『等伯』で直木賞受賞
佐藤優[サトウマサル]
作家・元外務省主任分析官。1960年東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、専門職員として外務省に入省。英国の陸軍語学学校でロシア語を学び、在ロシア大使館勤務を経て、帰国後は外務省国際情報局で主任分析官として活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕・起訴され、09年6月に執行猶予付き有罪確定(13年6月に満了)。著書『国家の罠』(毎日出版文化賞特別賞)、『自壊する帝国』(新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞)、『十五の夏』(梅棹忠夫・山と探検文学賞)など多数。同志社大学神学部客員教授も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aika
45
最高に面白くて、日本史がもっと好きになりました。元外交官の神学者×歴史小説家という異色のふたりによる、世界情勢を俯瞰した日本史の深い洞察には目から鱗です。信長、秀吉、家康は、常に海外からの脅威を警戒していて、キリシタン弾圧がなければ日本は植民地になっていたかもしれない点と、イエズス会の布教には疑念が残るというのが驚きでした。また関ヶ原の戦いは、信長・秀吉が進めてきた中央集権&重商主義か、または家康による地方分権&農本主義に舵を切るのかという、国としての在り方を問うた争いだったこともとても興味深かったです。2020/08/28
gtn
41
宗教を視座とした日本史。種子島鉄砲伝来も、本能寺の変も、鎖国も、秀吉のバテレン追放令も、イエズス会という外圧が背景にあることを解き明かす。当時のカトリックは帝国主義と表裏一体であるが、信徒がそれに無自覚又は正義と信じ込んでいるのが恐ろしい。プロテスタントである佐藤氏も、当時のイエズス会の思想及び布教方法を、間違っていると断言している。独善的な宗教に苦しめられるのは、いつも民衆。2021/11/14
けやき
40
安部龍太郎と佐藤優の日本史に関する対談。今回は戦国時代について取り上げられている。戦国時代におけるキリスト教の動きなど興味深く読んだ。2022/12/27
Isamash
36
安部龍太郎と佐藤優の2020年発行の対談書。信長秀吉家康、鉄砲伝来、キリスト教伝来、バテレン追放等を語りあってる。視点が斬新で圧倒的に面白かった。鉄砲及びキリスト教伝来は偶然ではなく計画されたものと安部は説く。この時代でも海外との交易の影響は大で、鉄砲のネジは日本では作れず銃弾の鉛も殆どが輸入品とか。イエズス会の帝国主義的な尖兵性を指摘し、佐藤がバテレン追放が植民地化を防ぐ意味で必要と総括したのにも驚愕。関ヶ原の戦いを重商主義と農本主義の国家路線選択の戦いと捉える見方も新鮮。今、農本主義への回帰が重要とも2024/04/13
onasu
23
近代でなくとも、対外関係を重要な因子として考慮しなければ、日本の歴史だって真の理解は得られないというのには賛同。 その点で、信長、秀吉が流布している以上にイエズス会に対処(拒絶)している貴重さは得られたが、目下の疑問、信長がいつ頃から中央集権国家が必要だと思ったのか、またそれが貿易の独占以上に、対外関係の危機への対処としてに及んでいないのには、物足りなさが残った。 とはあれ、地方分権という意味での農本主義、佐藤さんの博学な中でも殊更なところや、安部さんの機械知識も活かされた好対談(歴史)本でした。2021/02/18