内容説明
女帝則天武后、絶世の美女楊貴妃、奸臣安禄山が繰り広げる光と影!中国歴史大作!
著者等紹介
塚本青史[ツカモトセイシ]
1949年、岡山県倉敷市生まれ。同志社大学文学部卒。元イラストレーター。96年出版の『霍去病』で文壇デビュー。2012年6月、『煬帝』(上・下)で「第1回歴史時代作家クラブ作品賞」受賞。14年10月、『サテライト三国志』(上・下)で「第2回野村胡堂文学賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
31
巻頭の人物一覧表だけでも66人。しかも、実際にはその数倍の人物が登場してフォローが大変だが、混乱なく歴史の大筋を炙り出しているのは流石だ。武韋の禍から開元の治への移行、武氏→韋氏→李氏→楊氏という権力者の変遷、開元の治における姚崇・宋璟の両宰相の活躍、李林甫・楊国忠の悪政と安史の乱、楊貴妃に溺れた晩年の玄宗などの流れが分かりやすく描かれる。弁正や阿倍仲麻呂たちとの交流や、襁褓をあてた安禄山、楊貴妃の縊死などの有名なエピソードも漏れなく埋め込んである。残念なのは、見通しは良いけれど、ドラマ性に乏しいこと。2019/10/25
まえぞう
11
玄宗皇帝といえば、開元の治と楊貴妃を思い浮かべますが、物語は彼の祖母である則天武后から始まります。武后、伯父中宗妃の韋后や叔母の大平公主といった女の時代に終止符を打つまでは立派な玄宗も次第に普通の男になっていき、楊貴妃を娶ってからの転落は、楊貴妃の魅力というよりは彼の政治に対するやる気のなさからでているようです。2019/06/01
みよちゃん
9
沢山登場人物が出て、小説の面白さが感じられなかった。則天武后の影響や楊貴妃の事、安禄山の事が何となくぼんやりしか思い描けなく、玄宗皇帝さえも、どう捉えていいのか分からず終わり。2019/11/13
koba
5
女帝として最高の権力を手にした則天武后と玄宗皇帝の栄枯盛衰が重なり合うという歴史史観。唐の政治史の中で繰り広げられた光と影。登場人物が多過ぎ、物語としての面白さはいま一つ。2020/06/13
Splash
3
玄宗皇帝と楊貴妃の物語というよりは、中国王朝での、凄まじいまでの権力闘争が心に残る。讒言により政敵を処刑するが、しばらくすると、貶めた方が同じ目に遭う。ろくに根拠もなく責任を問われる恐ろしさ。誰も面と向かって意見しなくなる。中国も韓国も、大陸国家は、このような歴史の繰り返しなのかもしれない。2019/09/13