感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつうら
43
中国の双慶市で始まったEVタウン構想の入札をめぐり、3人の主役女性たちが「脳漿を絞って」奮闘する物語。カギを握るのは、電池正極材のスーパーアスカ。この正極材と、開発元の飛鳥化学をめぐって、日本や韓国の財閥系グループ、中国の自治体や中央政府が火花を散らす戦いは、目まぐるしい展開で手に汗を握る。しかしいろいろ盛り込み過ぎで、ストーリーに綻びが目立つ印象をぬぐえなかった。いちばん違和感が残ったのは、EVタウン構想の審査にEVレースが盛り込まれたこと。EVタウン構想はEV車の性能や技術を問うものではないのだが?2022/10/10
あっ!chan
36
近くて遠い国「韓国と中国」その中国を舞台にしたEV(電気自動車)を巡る戦争、そしてその最前線で活躍するのは日中韓の共通項を持つ三人の若い女性、そして経験豊かな女性たち…国家社会を語りながら、自らの出世と保身に走る男達を尻目に、彼女達はある時はライバルそしてある時は支えながら一歩一歩理想の社会を作り出す勧善懲悪な痛快なドラマがここに…銀行、原発、日の丸連合、共産党政権、財閥…更に二転三転する展開に中島みゆきや中国語とハングルをかけた暗号と、面白ネタも盛りだくさんで読んでてあきませんでした。2018/04/18
Yunemo
21
久々の著者作品。スケールが大きすぎて、というより現在の経済課題、日本・中国・朝鮮半島の地政学、産業構造の転換点、大企業での組織と個人の生き方、日中韓の若い女性の組織を超えた活躍(あまりにもスーパーレディの感が強すぎますが)、日本の中小企業の力強さ、官民癒着の現状、まさか指原著書の登場(眼を通してないのでなんの評価も出来ず)、中島みゆきの確かな手ごたえ、そして暗号解読まで。もうすべての問題が満載で、すらっと読了した割には消化できぬままに。ただ中国通の著者の中国観、中国人観には、ハッとさせられること多くて。2017/12/30
to boy
13
初めての著者でしたがとても面白く読ませてもらいました。500ページを超える大作ですが、飽きることなく読んだ。中国政府、韓国メーカー、日本の銀行、それぞれに所属する三人の女性と中国北部の女性市長の4人が繰り出す壮大な物語。裏切り、権謀術策、私利私欲と正義の戦い。電気自動車を舞台に各民族の特徴もしっかり出ていて面白い。映画化したら面白いかも。2024/04/05
紫夏
10
日中韓を舞台にしたとてつもないスケールの大作。北朝鮮、中国、原発、EV、トランプなど、最新の国際情勢と、ちょっと難しい国際金融。 登場人物多すぎ、40人以上。半沢直樹と同じストーリー。とても優秀な銀行員だが、不正を働く常務と対立し出向となるが、EV戦争で逆転勝利し、話のわかる頭取が助けてくれる。 中国人は笑顔で誠意をもって 手を差し出せば必ずその手を握り返してくれる人達なの。 逆転力 ピンチを待て(指原莉乃)。 中島みゆき ルージュ2017/11/08