内容説明
類まれなデザインセンス、画期的な企画力、社会問題に鋭く斬り込む編集方針で、雑誌「暮しの手帖」を国民的雑誌に押し上げた名物編集長・花森安治。破天荒の一面で繊細でもあった花森は、どんな青春時代を送ったのか。そして大橋鎭子との出会いとは?花森の知られざる内面に肉薄した骨太ノンフィクション。
目次
1 花森安治の机
2 西洋館と千鳥城
3 帝大新聞のストーブ
4 松花江の夕映え
5 宣伝技術家の翼賛運動
6 花森安治の一番長い日
7 日本読書新聞の大橋鎭子
8 ニコライ堂のフライパン
9 松葉どんぶりと胡麻じるこ
10 花森安治の一銭五厘の旗
著者等紹介
馬場マコト[ババマコト]
1947年石川県金沢市生まれ。早稲田大学卒業後日本リクルートセンター入社。マッキャンエリクソン博報堂、東急エージェンシー制作局長を経て、1999年より広告企画会社を主宰。新聞協会賞、ACC賞、電通テレビ部門賞、ロンドン国際広告賞など受賞歴多数。『ビッグ・アップル・ラン』(講談社)で第6回潮ノンフィクション賞優秀作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tadashi_N
21
言葉の力を最大限に引き出し人々を導く2016/07/11
もくもく
5
45年前、小学生のワタシは「暮しの手帖」を読むのが好きでした。変な小学生ですが、毎回の「商品テスト」で掃除機やアイロンの性能比較をする記事に興味をひかれたのです。そんな変な小学生に、母は「この本を書いてる人は『スカートを履いたオジサン』なんだよ」と教えてくれて、困惑した記憶があります…。それが花森安治氏でした。 本書では、平塚らいてう の「元始女性は太陽であった」に触発され女権・人権に思いを馳せながらも、戦中に戦争協力を強制され、戦後はその反動から奇矯なまでの反骨を貫いた花森の生き方に触れる一冊でした。 2016/06/07
wasanbon
2
持って生まれた能力の高さと行動力に加え、自分の信念や思いを実現するパワーを感じた。朝ドラは毎日見ているわけではないが、ドラマでどのように描かれるか、興味がある2016/05/12
4310
2
今の朝ドラ、早く戦後になれ……と思ってる方にオススメしたい一冊。帝大新聞時代に滝川事件、天皇機関説問題を目撃し、一戔五厘のハガキで中国戦線に送られ、大政翼賛会へと至る12年間がすんご~く!面白いので、『風立ちぬ』『コクリコ坂』でお馴染みのジブリで映画化してほしいです。ヒロインは215ページにようやく登場!2016/04/29
sherbets
1
人はどう戦争に反射する動物なのか、私も見たかったその姿が、控えめな筆致で、丁寧に描かれていました。自分の好きに注ぐ情熱と、流れの怖さと、戦中の描写が特に面白かったです。2016/09/08
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