内容説明
嵐に煙る桜島。薩英戦争で英国艦隊の捕虜となった五代は「薩摩の若者を留学させたい」と申し出る。攘夷主流の中、裏切り者の汚名を晴らし、藩論を覆して英国へ。そこで怪しげなフランス貴族と運命の出会いが―。帰国後、次の焦点は大阪と確信。造幣寮開設に尽力し、商法会議所を設立する。現在の大阪を「創った」男の奮闘を描く。
著者等紹介
高橋直樹[タカハシナオキ]
1960年東京都生まれ。92年「尼子悲話」で第72回オール讀物新人賞を受賞。95年「異形の寵児」で第114回直木賞候補。97年『鎌倉繚乱』で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちゃとら
50
三浦春馬の『天外者』を観た後にBOで購入し積んでいた。読み始めて春馬君は出てこない!色々なシーンでディーンフジオカが出てくる🌀この話はフィクションで史実と異なる部分もあるようだが、この時代は凄い人が沢山いた。銀行を作り、それを横取りする新政府も。大河ドラマとも被る場面があり興味深く読了です🙆♀️2021/11/09
detu
50
今更の五代友厚。正直言って『あさが来た』観るまでほとんど知らなかった。御一新の雄の一人でもあるのに。司馬遼さんは五代には興味持たなかったたのだろうか。竜馬が行くにちょろっと出てくる程度みたいだし。それにしても、かなりのダイジェスト版な感じ。ドラマに合わせて書かれたかのよう。五代を知るにはいいかもしれない、ディーン五代とはだいぶイメージが違う。五代友厚、大久保利通は故郷薩摩では不人気と聞いたことがあるけどどうなんてしょうね。友人押し貸し(?)本。2016/06/07
北本 亜嵐
31
五代友厚氏は卓越した先見性を持ち、やがて大阪経済の基礎を作ったと言われている。その彼の青年期から最期までを小説にしたもの。自分がもう少し幕末の歴史に詳しかったら…という反省もあったけれど、一気に楽しく読めました。2016/03/07
thee birdmen
31
激動の時代には汚いことも美しいことも見方次第で様々に変容するということでしょうね。攘夷から倒幕、新政府設立後の薩長の派閥争いは誰の目線で見るかによって、英雄の印象はガラリと変わってしまいます。岡田・中野・藤田という大阪経済を築いた大物たちの生々しい利権争いに、井上馨や黒田清隆・大久保利通ら大物政治家の抱える闇もうまいこと盛り込まれています。長州閥のコキおろされ方なんかは、まあよくあるパターン。史実として残っていないのでしょうが、主人公の最後があっけないのが若干残念でした。2016/01/11
まめ@暫くイン率落ちます
27
江戸から東京、つまり明治維新が発足した際によく目を当てられるのは薩長同盟や廃藩置換など武士にまつわる書籍が多い中こうした実業家の人物文庫も面白いが、やはりこの一冊では書き切れないほど彼の業績は大きく内容は薄く感じた。もう少し掘り下げて欲しかった。2020/02/18