内容説明
「なんで自分は翻訳なんかしてるんだろう!」当代随一の翻訳家の縦横無尽のエッセイ集。
目次
第1章 翻訳家の忙しい日々(僕が次に訳したい本;そもそも、YAとは「問題小説」であった!;「チック・リット」って? ほか)
第2章 物語は時代や国境を超える(神なき国のファンタジー;アメリカ・インディアンのオデュッセイア;『ハムレット』はお好き? ほか)
第3章 出合いはいつも本とともに(サリンジャーに、マティーニを教わった;僕が出版社に持ちこみをする理由;僕がそのうち訳したい詩 ほか)
著者等紹介
金原瑞人[カネハラミズヒト]
翻訳家、法政大学社会学部教授。1954年、岡山県生まれ。児童文学、ヤングアダルト向けの作品を中心に精力的に海外文学の紹介を行い、訳書は400冊を超える。書評、エッセイなどでも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
104
金原氏のエッセイ。彼は、柴田元幸さんや翻訳大賞関連の翻訳家が扱う事は少なそうな(偏見なら失礼🙏)作家さんたちをおさえてくれる気がするし、言葉使いも気取ってなくて好きなの。さて、これを読んだら読みたい本がドーンと増えた。金原さんか圓朝とか歌舞伎(猿之助、孝夫、玉三郎)にも詳しく、またハムレットとヴォネガットなんてところも語ってくれていて、楽しい時間を過ごせた。森鴎外か訳して逍遥が赤を入れた原稿があるなんてね、あぁ読みたいもんだ2023/06/15
帽子を編みます
45
面白かったです。目次に「中島敦とスティーヴンソン」とあるのを見て、とりあえず読み始めます、中島敦「光と風と夢」、ベラ・バサースト「灯台一家スティーヴンソン」サマセット・モーム賞受賞未訳(先生訳して)これは絶対読む(決意)。この飛行機でのエピソードも素敵、私も電車で会った人とのエピソードを思い出します。鼻息荒く、最初から、気になることが次々と出てきてノートをとる手が止まりません。待ち時間が短く感じました。読んだ本のどれくらいが金原瑞人訳でしょう、ありがとう素敵な本を訳してくれて、感謝しています。2024/12/03
ヒデミン@もも
36
金原瑞人さん、翻訳450冊も手掛けたらしい。好きなのにそんなに読んでない訳はファンタジーが多いから。しかしイギリスではベストセラーといえばファンタジーみたい。三浦しをんさんの作品がお好きということで嬉しい。私はマティーニよりモスコミュールのほうが好きだけど。2016/01/14
ちゃこてい
14
翻訳家、金原さんのエッセイ。なんと金原ひとみさん(一冊も読んだこと無い、ごめんなさい)のお父様とな。英会話が苦手とか信じられない話や、アンデルセンは本当はアナセンと発音するらしく、アンデルセンと定着してしてしまったのは森鴎外のせいらしい。とか。なかなか興味ぶかく、読みたい本がドンドン増えちゃうな。2018/01/13
くさてる
14
翻訳家のエッセイ集。様々なジャンルの本を紹介したその内容を読んでいると、面白そうな未訳の本の多さに溜息が出ます。もちろん、翻訳済みの本についても読書欲をそそられることは間違いなし。それ以外にも、本に関する様々なトリビアや本にまつわる小さなエピソードなど、読書家なら楽しめる内容だと思います。おすすめ。2015/10/19