内容説明
『楢山節考』で文壇に大きな衝撃を与え、その後も独特な作品世界を築いた深沢七郎。いまだその人気は根強い。ギターの名手、『風流夢譚』事件、放浪、ラブミー農場、今川焼「夢屋」店主、滅亡教教祖…。今再び光が当たる深沢文学は、災禍を乗り越え生きゆく人たちの胸に火を灯す言霊に溢れている。
目次
初対面で聴いた「悲しみの礼拝堂」
『楢山節考』までの漂泊
風流夢譚事件の衝撃
ヒグマとともに拓いたラブミー農場
連載エッセイ『わが享楽の人生の道』
18年間に及ぶ佐久との関わり
欲望の大きい人だった
死後19年目の新刊誕生
ヤギがいない!
音楽の中に小説があった
終章 著作権が復活する
著者等紹介
新海均[シンカイヒトシ]
1952年(昭和27)、長野県生まれ。75年、早稲田大学第一文学部卒業。同年、光文社入社。以降、雑誌、書籍の編集に携わり、2010年、退社。その後、フリーライターとして活動。日本ペンクラブ会員。俳人協会会員(俳号/あぐり)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kakoboo
17
無茶苦茶で破天荒な生き方なのかもしれませんが、「どう生きるか」のようなhowto本が氾濫している今日、正解ではないものの生き方の参考にある意味ではなると思います。没後の彼を取り巻く人々のやりとりがあまりにも寂しく、辛いのですが、それも痛快。そういうふうになれたらいいな。でもそれは風流夢譚や諸々の苦難をもってこそ築くことができたもの。経験を大切にしながら感性を養っていく、そして世間を見る力や自分の言葉で発する力が必要なんだなと感じました。知らない人や地名も多く登場しますが読みやすいです。2018/05/05
Bob
1
図書館でふと見つけて読んでみた。 高校生の時古本屋で手に取った人間滅亡的人生案内を読んでから、一度はラブミー農場を訪れてみたいと思っていた。永六輔、野坂昭如などいろんな人がラブミー農場には集っていたようだ。 人が本当に死ぬのは誰からも思い出されなくなってから、みたいなことが言われる。死後20年経って本書が発行され、図書館本の貸出履歴によると年に3-4回は貸し出されている。深沢七郎はまだ成仏できていないようだ。2022/06/05
メルセ・ひすい
1
15-140 ★おいらが気持ちいいことは、ちょっと、まあ、淋しいような時だ。淋しい時はオカシクなくていいねえ、銀座の千疋屋のパッション・シャーベットのような味がするんだ。淋しいって痛快なんだ。『流浪の手記』より。 『楢山節考』で文壇に大きな衝撃を与え、独特な作品世界を築いた深沢七郎。今再び光が当たる深沢文学は、災禍を乗り越え生きゆく人たちの胸に火を灯す言霊に溢れている。深沢七郎の数奇な生涯を元担当編集者が辿る。2012/03/13
アヴォカド
1
昭和は遠くなりにけり。。。2012/02/24
mizuhonomio
0
2014年1月29日、深沢七郎生誕百周年。 実在したのがウソといいたいほどユニークな存在だった。 風変わりで不気味で新興宗教教祖はかくあらんと思えなくもない。 風変わりな作家をささえた二人の男・ヒグマとヤギ。二人のその後は正反対だ。 女子大時代、周りの誰も研究しなさそうな作家でレポートを書こう、と選んだのが深沢七郎であった。 幾つもの作品に目を通して体中でかんじた不気味さは、今も消えることはない。2014/02/03
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