内容説明
王政復古からわずか15年、ブールボン朝が再び滅亡、七月革命後の政治的混乱のさなかのパリ―。人類の進歩、民衆の覚醒をめざすさまざまな秘密結社が貧しいがしたたかな若者たちによって組織されていた。ナポレオン軍の大佐を父に持ち、理想に燃え、祖父の裕福な家を出て窮乏の道を選んだ青年マリユスは、そんな若者たちと友情を交わす清貧の暮らしのなか、老人と二人で公園を訪れた、ある美しい少女を見そめる。
著者等紹介
辻昶[ツジトオル]
1916~2000。フランス文学者。東京大学大学院修了。東京教育大学教授、白百合女子大学教授を歴任。東京教育大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
11
マリウスがコゼットに出会うまで。彼女を見かけた時からのマリウスの初々しさったらない。心の中でそこまで思いつめられるのだなって。フランス革命辺りのフランスの貧しさが描かれていた。貧しさ故に人は暗黒の闇の中に生きざるを得ない。貧しさ、ひもじさは人を変えてしまうのだと思うと、ジャンバルジャンはよく改心したなと思う。2017/09/30
viola
6
やはり冗長な部分が感じられます。『ヴィクトル・ユゴー文学館 第3巻』の『レ・ミゼラブル』を5冊に分けたものなので、その時代背景の描写とかが巻頭にくるようにしたのかなー。中盤に差し掛かるともう、ページをめくる手が止まらなくなるのですが、そこまでがちょっとかかる。今回はなんと、マリユスで1冊!まさかマリユスだけでこんなにページを割いていたとは驚き。ようやくちらっとエポニーヌが登場。テナルディエはほんと嫌な奴!悪人だけど憎めない、レベルじゃないよなぁ・・・。歴史のせいにもできない。2011/08/04
水瀬しあ
0
主人公交代という感じ。相変わらず大量の説明が挟まったり、スポットがあちこちに当たったりしますが、前巻までの内容も含めて話は全て収束していくので、進むほど面白くなっていきます。それにしても、この話はハッピーエンドとは限らないだろうと思いながら読み進めるのは実にどきどきもの。2013/10/09
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