内容説明
みずからと間違われて捕らわれた一市民の容疑をはらすため、市長の座をなげうち再び徒刑囚となったジャン・ヴァルジャン。亡きファンチーヌとの約束を果たし娘コゼットを救い出すが、またしても刑事ジャヴェールが執拗に彼らを追い詰める―。「信仰、それは人間にとってなくてはならないものだ。なにものも信じない人は不幸なるかな!」人間性の尊厳を否定するすべての権威にペンで立ち向かった文豪ユゴーの革命論、宗教論が展開される第二部。
著者等紹介
辻昶[ツジトオル]
1916~2000。東京教育大学名誉教授。東京大学仏文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
9
コゼットは幸せに暮らしていると信じながらなくなったファンチーヌが切ないし哀しいし、でも真実を知らなくてよかった。ジャンバルジャンが幸せにしてくれると信じて亡くなって・・。コゼットはジャンバルジャンに引き取られるまで辛い生活で、こちらまで辛くなる。この時代のフランスの貧困は罪だな。引き取られたのちに修道院で落ち着いた後、幸せに成長してほしいと思いつつ、終わった。2017/09/22
viola
7
文体はすごく読みやすいんですけど、ね。突然ジャン・バルジャンやコゼットたちが消えて、いきなり修道院の話が続くからびっくり。ものすごく読みやすい『戦争と平和』みたいな感じでしょうか(笑)語る語る。妙なところで著者が出てくるところとか、ちょっと違和感。こことここの文章はないほうがいいんじゃないか、なんて文豪に大して添削したくなったりもするのですが・・・文学的にすんごく良いわけではないと思うのですが・・・・・ストーリーはやっぱりとっても魅力的。ジャン・バルジャン。まだこんなに逃げなくちゃいけないのね。2011/07/24
水瀬しあ
0
一部よりは救われる話。途中で長々と挟まるワーテルローの戦いの話や修道院の話も興味深いですが、まぁ流し読みでも大丈夫な部分でもあります。情けは人のためならず、としみじみ思う話。2013/09/17