出版社内容情報
地震のような衝撃で密室と化した中野ブロードウェイ。ビル自体が生き物のように変容し人が次々と“食われていく”。取り残された少年と少女の運命は!? 誰もプレイしたことのない最悪の脱出ゲームが始まる
内容説明
退屈した日々をおくる高校生・裕は、はじめて訪れた中野ブロードウェイで不思議な雰囲気をもった美少女アイドル・マイと出会った。だが突如、大きな衝撃がビルを襲う。地震か事故かテロの類か。シャッターで外光も外音も遮断され、電話もネットもつながらない。さらにはビル自体が生き物のような何かに変容し、次々と人間に襲いかかってきて…!?このビルは人を“食って”生きている―史上最悪の脱出ゲームが始まる。
著者等紹介
渡辺浩弐[ワタナベコウジ]
1962年福岡県生まれ。ゲーム・映像ソフト制作会社「GTV」代表取締役、中野ブロードウェイの飲食店K‐CAFE店主(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
78
学校サボった斜に構え少年が超人気アイドルと中野ブロードウェイでボーイミーツガール!そしてお約束の災害。からの脱出!途中で出会った人達は謎の化け物に食われ、終盤壮大な陰謀が明かされ、世界を救うのは二人の愛!的なセカイ系のテンプレ踏襲作品。90年代に監視社会を描いたプラトニックチェーン等を書いた著者ならではのテクノロジーの蘊蓄は面白かったが、そこに至るまでに500頁…つまらなくないけど先が気にならない。無表情・無感動で読み進めるには700頁弱の分量はきつい。とりあえず中野ブロードウェイに行ってみたくはなった。2018/02/21
じゅんぢ
34
ようやくこの本から脱出できた。長かった。脱出ゲーム物はもっとシンプルでいいと思う。途中の障害をどう乗り超えるか、どうやって脱出するのか、人間ドラマ、そういうのが読みたいのに、この作者は中野ブロードウェイがなぜあんなことになったのかにページを割いていて、脱出ゲームに必要なハラハラドキドキ感をまったく感じさせなかった。2019/04/22
緋莢
16
両親の不仲により家庭が崩壊しており、家に帰りたくないと思った逸見裕は、中野駅を出て歩いているうちに、中野ブロードウェイに辿り着いていた。中古ゲームショップで 掘り出し物を見つけた際に、同じ商品を手に取ろうとした少女がいた。その少女に商品を譲ったのをきっかけに仲よくなり、一緒に中野ブロードウェイを歩くことになったが 異変が起きて…他の多くの方も書いていますが、確かに長すぎます(続く2023/07/12
爺
9
なんとも荒唐無稽な、ホラーでありSFでありオカルトであり……。しかし冒頭でいきなりアイドルと2人で素っ裸になるという素っ頓狂な始まり方は忘れられないだろうなぁ(笑)。文章のテンポが良くなかなか中断できないため、厚さはまったく気にならないのは凄い。この面白い荒唐無稽さは昔読んだ中井拓志の『レフトハンド』を髣髴とした。そしてタイトル。ゲームじゃないじゃん! 加えて帯。恐怖度No1は嘘でしょ! 面白いけど怖くはないよ!2024/11/19
【セント】ral_island
9
傑作になり得た迷作。描かれる群像劇は中野ブロードウェイの雑然とした印象を上手く描いており、筆力もある。ただ後半の面食らうほどの急展開ぶりは、まるで前半と後半で違う作品を読んでいるのではと錯覚するほどだった。「中野を舞台に書きたいことを全部書いた」感が凄かった。意欲作には違いないし面白いけども、まとまりとしては微妙。2017/12/19