内容説明
モスクワに蔓延する“カネがすべて”の時流に背を向け、誇りの代償に婚約者も人生の目標も失った音楽ジャーナリスト、アルセン・サマンチン。荒みきった心でキルギスに帰郷した彼を、大自然と純朴な乙女が包み込む。しかし、立ち直りかけた彼に、元アフガン帰還兵の貧しい幼馴染たちが、旅行中の金満家アラブ人たちを襲うテロ計画を打ち明ける―。
著者等紹介
アイトマートフ,チンギス・トレクーロヴィチ[アイトマートフ,チンギストレクーロヴィチ]
1928年生まれ。53年にキルギス農業大学を卒業後、畜産技師として働きながら文筆活動を行う。58年に中編『ジャミリャ』を発表し、ソ連国内のみならず、国外でも注目される。『キルギス文学』編集長を経て、83年にはキルギス作家同盟議長、88年『外国文学』誌編集長に就く。一方、ペレストロイカの旗手としても活躍し、90年3月大統領評議会メンバー、同年11月から91年12月まで駐ルクセンブルク大使を務めた。知識人の国際会議イシククーリ・フォーラムの主催者でもある。ブリュッセル在住
阿部昇吉[アベショウキチ]
1956年宮城県生まれ。早稲田大学大学院修士課程(ロシア文学専攻)修了。ロシア文学研究家、翻訳家。1999年、パリの国際シンポジウムで、アイトマートフ文学に関する報告を行う。現在、創価大学でロシア語とロシア文学の講義を担当している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。