感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
2
新カント派哲学の柳田に対する影響があるとすれば、一つの経路は牧口との交流である。この本からは何とも判断がつかんが、郷土「を」研究するのではなく、郷土「で」何か別のものを研究するという郷土研究の理解、また抽象的な理念からではなく直観できるものから入っていくという教育観も牧口と共通のものであった。宗教に関心を抱きつつ宗教家を斥ける柳田が牧口を同志と考えたのも頷ける。直観で得られる経験的事実によって思考を律するという柳田の姿勢は、特定の宗教原理への帰依とは相容れないものである。むしろ、ウェーバーに近いんである。2018/06/24