内容説明
傍聴席の小説家がみつめた「犯罪記録」。裁判とは何か、人間とは何か。
目次
二つの「法廷」に漂う香水
「保険金殺人」吠える虎と涙の狐
『身分帳』の男の喪主をつとめて
「死刑判決」を望む被告人
「広域重要118号事件」六人の被告人
十九歳の少年「永山則夫」の連続射殺事件
「裁判官・検察官・弁護士」となったそれぞれの理由
日本版『俺たちに明日はない』のやりきれなさ
「宮崎勤」の精神鑑定と一審判決
なぜこんな「結婚詐欺師」に騙されてしまうのか〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ybhkr
3
傍聴席でメモを取るというのは今や当たり前の行為に思えるが、昔はそうてはなかったらしく、司法側から、傍聴者のメモを邪魔してはならない、というメモ解禁が発表されたのは1983年と以外と最近だ。傍聴メモ自由解禁記念として傍聴をはじめた著者の被告人や受刑者とのあれこれ。最近の傍聴エッセイは平成に入ってからのものが多く、昭和から平成にかけて、発行された2000年までの17年間の大きなスパンで書かれた本書は傍聴記としては異質で、どちらかというとノンフィクションエッセイ。受刑者側に寄りそう距離感がすごい。2015/04/20