出版社内容情報
荊州に入城した曹操は、蔡瑁を水軍大都督に任ずるが、劉踪は青州に向かわせておい于禁にその後を追わせ一族を皆殺しにした。
さらに曹操は玄徳への追撃を命ずる。
難民を引き連れて江陵に向かう玄徳の一行は、長坂坂で曹操軍に追いつかれた。
趨雲は戦の中で玄徳の子を見失い、戦場を駆け巡ってようやく母子を探し当てた。
深手を負った母は井戸に身を投げてしまう。
幼な子を胸に抱いた趙雲は、ただ一騎で数十万の曹軍の中を駆ける。
目次:
暗殺指令/長坂坡/風雲長坂橋/援軍きたる/百万曹軍/舌戦/火中の栗/水軍提督周喩/開戦/殺意/暗殺計画/大水塞/群英の会/謀略/覆面船団
〔付録〕
三国志関連地図
「諸葛氏の三国志」 稲畑耕一郎(早稲田大学文学部教授)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
48
孔明の聡明さは誰もが認めるところだが、自分の命が狙われて無理難題を言い付けられても、それを嘲笑うかのように交わしていくところが、また並外れた頭の良さだと感心してしまう。「将たるもの天文に通じ地理に詳しくなければなりませぬ」と言うところは、またカッコいい。1日にして10万本の矢を入手するシーンは、7月に三国志展で見たなぁ。これを読んだあとに見たかった展示会だった。2020/03/03
黒猫
19
ようやく読み終えた。孔明の知謀に危機を覚える周瑜。孔明は周瑜が自分を害する危険を省みず、呉の国でやりたい放題。まずは呉の文官相手に続々と非戦論を論破。孫権の信頼を得る。しかし、大都督周瑜が軍権を握る呉軍を動かすために巧みに周瑜のプライドをくすぐりながら、交戦論に導いていく。この巻は有名な10万本の矢を得るシーン。周瑜の器の小ささと孔明の知謀を浮き彫りにするシーンだが、周瑜はやはり器が小さい訳ではなく、芝居をうって蔡瑁を殺したりしている。ただ、孔明がすごすぎる。先を読む力。次回はいよいよレッドクリフか!2019/11/07
ともゆき
13
趙雲、孔明の活躍。この辺りの話がやっぱり面白いなあー。2018/02/24
Cinejazz
12
諸葛孔明が提唱する“天下三分の計”により、三国時代が動き始めます。曹操(魏)は、孫権(呉)を抱き込もうとしますが、孔明の知略で呉の反戦派を抑え込み、軍師・周瑜(しゅうゆ)の水軍を奮い立たせて、100万の曹操軍との戦いを仕向けることに成功します。恐ろしいまでに、人の心を見抜く孔明に殺意を抱くまでになった周瑜ですが、すべてを見通されたあげく、曹操軍がわら人形に放った10万本の矢を回収、周瑜に献上、見事に周瑜の鼻を明かすのでした。2020/05/08
0607xxx
12
大軍率いる曹操と曹操、劉備どちらにつくべきか悩む孫権の元に一人乗り込み、自身の暗殺計画も感じながらも巧みに孫権軍の周瑜を動かし、劉備軍を有利な方へ進めていく孔明恐るべしの巻。2018/06/23