内容説明
“今夜8時、レディを殺す。どうにかできるかい?”金髪の少年が持ってきた一通の手紙は、新聞の文字を切り抜いて綴ってあった。一見してホース刑事は誰かのいたずらだろうと思った。しかし、上司のバーンズ警部の命令は絶対だった――レディを探せ。その手紙を前にした刑事たちが奇異に感じたのも無理はなかった。だが、そのとき犯人は!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
64
87分署シリーズ第8弾。タイムリミット・サスペンスのかたちをとっているものの、ハラハラ、ドキドキ感をあおるのではなく、むしろ警察活動を実際に近い形で地道に描こうとしている。87分署の刑事達は驚くほど明晰な頭脳を持つわけではなく、超人的な活動をするわけではない。そうしたことはシリーズを読み込んできた者にとって、むしろ好もしく、これこそが警察小説なのだと納得できる。シリーズを読むことを止められない。さて次は・・・。2015/07/31
GaGa
39
最近順番バラバラで再読しているが、これは当初読んだ時はたいしたことのない作品だと思っていたが、読み直してみると割といける。これは初期作品におけるこのシリーズに対しての作者のエネルギーの投入加減なのだろうかとおもう。ただし、フーダニッドで前半飛ばした分後半はいかされてはいないけど。2013/03/13
背番号10@せばてん。
27
1991年1月14日読了。87分署シリーズ第7弾。エド・マクべイン、2005年永眠。自分に多大なる影響を与えてくれた、巨星に心より合掌。(新年なんちゃって登録始め。2024年1月5日入力)1991/01/14
tom
19
87分署シリーズの長い間をおいての連続読中。面倒なミステリーを読んでいると、このシンプルな刑事小説が読みたくなる。ストーリーはごくごくシンプル。レディを殺すという文書が分署に届けられた。キャレラ以下刑事の面々は怪しみながら走り回る。その合間にささやかなロマンスがあるのも、いつものこと。サラサラと読み終える。胃にもたれないのがとてもよろしい。2024/03/07
鐵太郎
16
クランクとは、警察に来る面倒などうでもいい訴えのことらしい、そんなクランクのひとつと思われたのが、今夜レディを殺す、という匿名の手紙。これはクランクだろうか、と悩む87分署の刑事たち。レディとはいったい誰のことか。この回で警察画家が目撃者の証言によって似顔絵を描く場面が出てきます。発刊当時読んでいた頃は、モンタージュ写真を駆使する日本警察の方が格好いいと思ったもの。しかし実際には、こういった似顔絵の方が遙かに優れていたことをのちに知って驚いたっけ。2019/05/18