感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
50
アジャセ王子と奴隷との悲恋が印象的な巻でした。そして、アナンダは未来を予言できる者を探しに旅に出ます。アナンダは昔はあんなに悪い奴だったのに、凄い変貌をとげていて、ブッダからの信頼のあつさにはビックリしました。辛い話の多い中、タッタとミゲーラには嬉しい変化があってそのシーンだけが唯一ホッと出来て良かったかもしれません。次巻でもブッダとアナンダの修行の旅は続くようです。2011/12/18
紅香
31
『いま私に見える未来は今のままの未来です。未来はまるで川の渦のように、どんどん変わっていくものです』運命を目の前に、正しい判断が出来ず、間違った行いをひとたびしてしまったら…。王はその運命をついに自分の手で引き寄せてしまう。悔恨も悲しみも悪と手を繋いでは絶対にダメだ。ブッダの言う正しい目、正しい耳…をもって正しく生きることの難しさを知る。この後のつながり、濁流にのみ込まれる前の一瞬の感情に立ち止まる勇気が必要。それぞれが踏みとどまることができるのか?次巻へ。2019/05/11
aisu
16
マガダ国ではビンビサーラ王が、自身が息子のアジャセに殺されるという予言に苦しんでいた(息子も幼い頃からそういう目で見られて苦しんでいる)。予言したのはブッダが連れていたアッサジだがアジャセはブッダを殺そうとしてブッダは重傷を負う。アジャセは塔に幽閉される。ブッダは疫病もありすっかり老けた感じに。。。サーリプッタとモッガラーナ登場。ブラフマンに死ぬまで伝道を続けよと再び言われてコーサラ国へ行くことにする。ダイバダッタは留守中の組織の乗っ取りを思案する。2023/01/20
活字スキー
14
【弟子にかしずかれてのんびり休息するのがあなたの人生ではあるまい?】千人を超える弟子を従えて再びマガダ国を訪れたブッダ。ビンビサーラ王の苦悩とアジャセ王子の不信、ダイバダッタの野心は変わらないどころかさらにエスカレート。思いあまったアジャセの凶行によりブッダは瀕死の重傷を負い、王子は罰として幽閉されることに。逃れようと足掻くほどに苦しみが深まる不条理が繰り返され、ブッダは老け込むと同時にいかにも仏然とした貫禄が出てきた。【あなたがぬくぬくとねているあいだにもこの世界には……】2022/10/25
くろうさぎ
14
ここに来てまた、あまりにも悲しい2組の恋の結末でした。ブッダもまた新たな旅が始まって…。アナンダのブッダへの一途な献身ぶりが素晴らしい。いよいよ残り2巻になりました。どのように終わりに近づいていくのか楽しみです。2018/07/22