出版社内容情報
公園に住み、近所の人々が世話をする「みんなのねこ」ななちゃん。年老いたななちゃんは、ある日、公園を出ました。そして、ねこ好きの「おじさん」と出会ったのです。
実話を元にした、最後まで輝く命を見つめたストーリー。
内容説明
命はかがやく!さいごまで。「みんなのねこ」ななちゃん。命あるものを慈しむ心を伝える。「捨て犬・未来」シリーズの今西乃子がおくる、事実をもとにした物語。小学校低・中学生向け。
著者等紹介
今西乃子[イマニシノリコ]
児童書のノンフィクションを手がけるかたわら、愛犬・未来をテーマにして小・中学校を中心に「命の授業」を全国で展開。その数、2024年には300箇所を超える。(一社)日本児童文学者協会会員、(公財)日本動物愛護協会常任理事
ひろみちいと[ヒロミチイト]
1971年、三重県生まれ。Academy of Art University大学院イラストレーション科を卒業。在学中にMark English氏やサノカズヒコ氏の講義を受ける。帰国後、イラストレーターの木内達朗氏に師事。一般社団法人東京イラストレーターズ・ソサエティ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
87
児童書。地域ねこのみとり▽七夕の夜、おじさんが死んでしまった愛猫のねこぺんを思い出していると、おじさんの後をついてくる猫に出会った。痩せて弱っている猫を連れて帰ったおじさんは「なな」と名前をつけて世話をする。ななはおばあちゃん猫で病気だった。ななは近くの公園で面倒を見られている地域ねこだった▽面倒を見るのなら、命に対して最後まで責任をもたなければならない。考えさせられる物語でした。実話から書かれたお話。2025.5刊2025/11/06
道楽モン
59
地域猫というのは実に都合の良い言葉で、実際は無責任なフリーライダー達のエゴを、責任感のある誰かが犠牲となっているという構図。本気で取り組むにはNPOなどの組織化が不可欠であろう。野良な犬や猫に今ほど関心の薄かった明治期までの江戸市内での町内犬・猫とは、本質的にまったく別物だ。周りへの情や無言の非難に屈することなく、地域のアイドル・ペットではなく、ひとつの魂として送り出した保護者の存在が、いかに特異なものであるか。絵本として、若き読者に考える機会を与える本書の意義は決して小さくはないだろう。良作である。2025/11/18
たまきら
41
読み友さんの感想を読んで。私が「地域猫」に感じているもやもやをハッキリと言語化してくれている内容でハッとさせられました。今夏、ボロボロの地域猫ちゃんを看取りましたーこれで通算3匹目になります。みなさん、ご飯はあげるけれど病気になっても病院に連れて行かないし、家にも入れませんし、当然看取りません。今年看取ったゴロちゃんは、すべてが終わった後になって「私も看取ってあげたかったわ~」と言ってきた近所の方がいたので「早めに気づいてあげたらよかったなあ」と夫に言ったら「絶対知ってたはずだよ」と鼻で笑われました。2025/11/26
遠い日
9
ななちゃんという推定15歳の老猫を保護したおじさん。あえて「地域猫」とは言わずに「野良猫」ということばを使っています。弱っていた猫を診察してもらい、体力が回復するよう世話したおじさん。懐いて楽しい日々が過ぎましたが、ある張り紙を見て、ななちゃんが公園で20人くらいの人に世話されていたことを知ります。その人たちはななちゃんに会いたいから戻して欲しいと訴えますが、ななちゃんの体調からすればそれは危険行為に他ならないこと。おじさんと20人ほどの人たちとのやり取りは熱を帯びていました。命のあり方を問うています。2025/07/05




