出版社内容情報
「戦争なんてぜんぜん関係ないと思ってた」北海道の西北、日本海に面する小平町。
小学5年の浩太たちは、町のふしぎを調べる中で、終戦直後の町で起きた悲しい事実を知る。
内容説明
三船殉難事件。1945年8月15日に日本が敗戦を国内外に宣言した7日後、樺太から引き揚げてきた人たちを乗せた非武装の船が、北海道西北の海で攻撃を受け沈没、大破した。作者が故郷の海で起こった事件に正面から向き合った入魂の作。
著者等紹介
有島希音[アリシマキオン]
北海道増毛町生まれ。小笠原洽嘉氏に師事。児童文学同人誌「まゆ」代表。日本児童文学者協会会員
ゆの[ユノ]
フリーで活動するイラストレーター。色彩豊かなイラストを特徴とし、さまざまなアーティストのジャケットやMV、アニメコラボグッズ、イベントビジュアル等を幅広く手がけるほか、作品展も精力的に開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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柊子
11
「三船殉難事件」 卒論に戦争児童文学を選び、様々な事を調べたのに、この事件は知らなかった。終戦から数日後、樺太より引き揚げてきた人達を乗せた非武装船が、攻撃され沈没。1708人の死者を出した事件……。なんと、詳細が明らかになったのは1992年というから、つい最近ではないか。それまで国はろくに調査もせず、何をやっていたのだろう。知らなかった出来事を知ったとしても、子供達の力で何かができる訳ではない。でも、まずは知ることから初めて欲しい。それは大人でも言える事だけど。良い本だった。8/15前に読めて良かった。2024/07/10
りょう
9
児童書ですが、北海道の留萌や増毛というところで、こういうことがあったこと、東京の空襲などの話は知っていてもまさか北海道の漁村でこんな辛いひどいことがあったことを知らなかったです。ご出身の著者が調べて素晴らしい物語にしてくれました。2024/07/08
飲も飲も
5
日本が敗戦を宣言した七日後樺太から引き揚げてきた船が攻撃を受け沈没。いまだにたくさんの人が海の底に沈んでいる。「三船殉難事件」。北海道に住む浩太のクラスで調べることになった。知らなかった。2024/08/05
くま美
5
終戦を宣言した7日後に起きた北緯44度での悲しい事実。この本を読むまで知らなかった。樺太からの引上げ船を攻撃した旧ソ連の潜水艦。大勢の人が犠牲になり未だに海に沈んだまま。戦後80年近くなった今でも爪痕が残っている。北海道出身の作者だから書けた話なのだろう。2024/06/23
のりり
3
児童書。高学年。北海道小平町に住む浩太は海で会ったおじいさんに「あんまり海に来てるとひっぱられるぞ」と言われ、どういうことなのか疑問を抱く。学校で小平町のことを調べ学習しようということになりテーマ選びをする時、「ひっぱられる」ということを調べたいと思った。学級で話し合いテーマをしぼり、昔小平町で起こった出来事について知っていく。戦争のことだから重い話だけど読むべき1冊。大人も。2024年。2025/03/29
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