出版社内容情報
イタリアの小さな村の日常をスケッチしてきた少年エンリコ。突然の大地震によって、日常が破壊されるが、彼は描き続ける。災禍の中の真実、奇跡、そして希望を描いた物語。
内容説明
その夏エンリコは、羊飼いのじいちゃんがいる谷間へ通い、ガールフレンドのテレサとすごす、あたりまえの日々を送っていた。八月の、あの日がくるまでは―イタリアの小さな村を舞台に、災害により破壊された日常と、それでも続く日々の希望と奇跡を描いた物語。
著者等紹介
クロムハウト,リンデルト[クロムハウト,リンデルト] [Kromhout,Rindert]
1958年、ロッテルダム生まれ。1981年にデビューした後、絵本、紙芝居、ノンフィクションからYAまで、これまでに160点以上の作品を発表。『兵隊は泣かない』(未訳)で、金の額縁賞とテア・ベックマン賞を受賞
ファン・ハーリンゲン,アンネマリー[ファンハーリンゲン,アンネマリー] [van Haeringen,Annemarie]
1959年、ハールレム生まれ。クロムハウトと組んで、人気絵本「ちびろばくん」シリーズ(PHP研究所)などを発表。1999年を皮切りに金の絵筆賞を3回受賞している
野坂悦子[ノザカエツコ]
1959年、東京生まれ。オランダ語を中心に1989年より翻訳の仕事をはじめる。クロムハウト氏とは長年の交流がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
71
児童書。YA。「聖人さま」の伝説があるイタリアの村が舞台▽もうすぐ14歳の少年エンリコは絵を描くことが大好き。どこへ行くのもスケッチブックを持ち歩く。祖父のルイジじいちゃんは一人になり、同じく夫をなくした老婦人のマルタと暮らそうと考えた。しかし「聖人さま」を冗談のネタにしたことで大喧嘩して、祖父は村はずれの谷間に住み、マルタは町に住むことになる。娯楽のない町のみんなはそれぞれの味方になって、エンリコに色々言ってくる。大好きな彼女ともうまくいっているエンリコは幸せだった。8月のある日まで▽2023年7月刊2023/11/04
退院した雨巫女。
12
《私-図書館》普段の穏やかな暮らしから、大震災の後の不安で、破壊された町で、暮らす日々が、熊本震災を経験したから、他人事ではなかった。2023/10/31
mntmt
8
愛を感じた。2023/08/12
Incisor
4
「あの日」までの日々も、それからの日々も、今この瞬間をしっかり心に刻み、その目と心でえがいていくエンリコに、生きていくことの力を感じた。2023/08/25
Sirius
1
イタリアで1997年に起きた地震災害が途中から描かれている。14歳の主人公の少年を取り巻く家族やガールフレンドなどとの関わりも丁寧に描かれているように感じた。 2024/02/29