出版社内容情報
「はらがへった……。どこかにえものになるどうぶつはいないか」極限の地で出会ったのは、ジャコウウシの群れだった。探検家・角幡唯介の実体験を阿部海太が大胆に絵本化。
著者等紹介
角幡唯介[カクハタユウスケ]
1976年北海道生まれ。作家・探検家。近年は北極圏で長期にわたる犬橇狩猟旅行を続けている。著書に『空白の五マイル』(大宅壮一ノンフィクション賞受賞)、『雪男は向こうからやって来た』(新田次郎文学賞受賞)、『アグルーカの行方』(講談社ノンフィクション賞受賞)、『極夜行』(本屋大賞2018年ノンフィクション本大賞、大佛次郎賞受賞)など
阿部海太[アベカイタ]
絵描き・絵本描き。1986年生まれ。埼玉出身。東京藝術大学デザイン科卒業後、ドイツ、メキシコに渡る。2011年に帰国後、神話や根源的なイメージをモチーフに絵本や絵画作品を発表。2020年刊行の『ぼくがふえをふいたら』(岩波書店)で第26回日本絵本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
189
続いて4作目、本作も角幡 唯介の初絵本です。 極限の地で生き抜くため、やむを得ないとは言え、子牛を出産したばかりで弱っている母牛を撃って欲しくなかった。シリーズで一番死を感じる一作です🐂 https://www.iwasakishoten.co.jp/book/b596584.html2022/03/09
馨
77
かなりきつい内容の絵本でした。モノクロで怖い感じの絵。極限状態の北極で人間がジャコウウシを撃つ。命がけの生活なら皆するだろうその行為。コウシのシーンも悲しかったけどみんな生きていることに変わりはないし、弱肉強食の世界。色んな命をいただいていることを忘れないようにしたい。2022/04/09
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
27
角幡さんの他の著書で何度も描かれている内容なのだけど、伝わり方が違う。これまで読んでいたのは、ただ文字を追うという作業を消化していただけなのではないかと思わされた。子牛の鼻息が感じられそうな画。触れるのはスベスベの紙ではなく牛の体毛、そう感じさせられる圧倒的な画。2022/12/23
うー
26
〈絵本〉ぐぐぐ…思わず唸ってしまった。。北極でジャコウウシの群れを見つけ自分が生きる為、引き金をひく。それは子どもを生んだばかりの母牛だった。。モノトーンな絵の中での鮮血。静かな絵がたくさんの言葉を代弁しているようだ。2022/03/12
ふじ
25
闇は光の母シリーズ4作目。個人的にはこれが1番心に響く絵本だった。『極夜行』の角幡唯介さん文。空腹でしかたなく、牛の群れを狩ることになった、そこで起きたこととは。頂いた命のリアルな暮らしが迫る距離感で、引き金を引かざるを得ない。闇は光の母、まさにその言葉が浮かんだ読後。絵も素晴らしい。2022/08/28