出版社内容情報
世界一美しい空港に選ばれた羽田空港。そこで働く清掃のプロ・新津春子さんは、心を込めて清掃と向き合きあい続けてきた。
内容説明
NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で話題のマイスター。「世界一美しい空港」に選ばれた羽田空港で清掃のプロとして働く新津春子さんの半生と、清掃の極意を描いたノンフィクション。小学校高学年から一般向け。
目次
羽田空港で
中国人だったころ
お父さんのおみやげ
日本鬼子(リーベンクイツ)
二宝(アルパオ)
日本への「帰国」
勉強したい!
高校時代
運命の出会い
挑戦
たくさんの仕事の顔
いつくしみの心で
著者等紹介
若月としこ[ワカツキトシコ]
岩手県出身。「旅猫物語」シリーズ(全3巻・岩崎書店)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
21
以前、テレビの「プロフェッショナル」で拝見して、凄い方だなあ~と思った。素晴らしいのはもちろんだが、凄さも感じてしまった。そんな新津さんを想い出したのは、地元の中学校で、講演をされたことを知ったからだ。時間が合えば、行きたかった。校長先生から伺ったり、学校たよりで拝見したり・・・講演だけでなく、実際に、生徒の皆さんに掃除の手ほどきをされたのだ。そして、それからというもの、生徒の皆さんの掃除の仕方も、結構、変わったということを知って、その影響力にも脱帽。学ぶべきことが、とても多い。2016/09/13
nao1
21
児童書。取材したライターの若月さんの感動が素直に伝わってきた。おそうじが人をこんなに感動させるなんて。河合隼雄さんの『老いるとはどういうことか』に、裕福で社会活動をたくさんした方がなにか物足りなさを感じ、最後には雑巾で家を磨くことに生きがいを感じたという話があった。心を込めてものを磨いて、キレイにするということは人格を磨き上げることにどこかつながる行為だろう。イヤイヤやると魂に沿わないとはよく言ったものだけど、我を忘れて心をこめて仕事をすると、心によく、体も丈夫になるってのはひとつの真実だろう。2016/08/04
とよぽん
15
心のある清掃で自身を磨いてきた新津春子さんの、すばらしい生き方を紹介したノンフィクションだった。彼女の生い立ち、負けず嫌いの性格、チャレンジ精神と努力が著者の目を通して書かれており、小学校高学年から読める。夢をもてない中学生に、「ぜひ読んでみて!」 と言いたい素敵な本。2016/10/11
まげりん
10
ポプラ社版とどっちにしようかと悩んで、まずこっちを読んでみた。テレビで嬉々と掃除する春子さんが忘れられず、児童書で出るのを待っていた。中国残留日本人孤児の父を持ち、どっちの国からも冷たい扱いを受けるが、彼女は清掃という仕事を見事に1ランク昇格させた。羽田空港に行くと姿探しちゃうんだなぁ。新幹線のお掃除の話って出ないかな?2016/05/08
NakaTaka
6
まずは春子さんのバイタリティーに脱帽。5キロのダンベル階段を使うこと1日の歩数!確かに高いお金を出してジムに行く必要なんてない。と、それは私的な興味。中国残留孤児の父についてやって来た日本。イジメ。負けん気の強さ。心遣い、おもてなしの心。たくさん良い言葉があった。ここには書かれていないけど、彼女が目標達成するまで結婚を待ったご主人、よい人なんだろうなあ。2016/09/22