内容説明
人はだれでもいつかは亡くなります。おじいちゃん子だった孫にとって祖父の死は最初の試練かもしれません。愛しい孫へ、勇気づけ希望になるメッセージを残したい。そんな思いが全篇からにじみ出てきます。
著者等紹介
内田麟太郎[ウチダリンタロウ]
1941年、福岡県大牟田市に生まれる
たかすかずみ[タカスカズミ]
1957年、福岡県北九州市に生まれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
122
死んだおじいちゃんが孫に語りかける絵本。パステル調の絵が美しく、柔らかなおじいちゃんの語り口にぴったりだ。「なくなったものは だれも いきているものの しあわせをいのっている」というおじいちゃんの言葉が心に沁みる。人間の命の絆は死で断ち切られるものではない、確信させてくれる。この絵本を読むことで、亡くなった人との絆を深められると思う。2016/06/18
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
103
亡くなったものは誰も、生きているものの幸せを祈っている。ただそれだけを……。【風】になった祖父は孫へ一篇のメッセージを残します。祖父が亡くなったことをまだ知らない孫はきっと泣くでしょう。でも泣きすぎてはいけない。孫の笑顔を愛していたから。メッセージの全部を分からなくてもいい。孫には時間はたっぷりあるから、いつか孫が祖父の年齢になる頃、いのちのバトンを預かっていたことを思い出せばそれでいい。優しいだけではない。このバトンは決して軽いものではないのだから。淡いパステルの絵に癒やされます。2009年5月初版。2015/12/01
紫綺
103
四月に読んだアイリーニ サヴィデス作「もういいかい?」と同じく、おじいさんへの優しさ、受け継がれる心が描かれている。何とも清々しい。たかすかずみさんの画は優しくてとてもお気に入り。他の作品も探そう♪2013/05/04
masa@レビューお休み中
91
「ないてもいいけど なきすぎてはいけない」何度も繰り返し出てくる言葉。この言葉にすべて集約されているような気がする。悲しいときは泣いてもいい、つらいときも泣いてもいい。でも、泣きすぎてはいけない。際限なく泣く行為は、出口を求めて必死にもがく行為なのかもしれない。一度、踏み入れてしまうと後戻りすることはできない。限界を超える悲しみは経験しないで欲しい…そんなやさしい愛に包まれた言葉なのかもしれない。うん、きっとそうにちがいない。2012/06/29
おくちゃん🌹柳緑花紅
88
涙がにじむ。おじいさんに自分を当てはめて読んだから。可愛い孫と重ねた時間と思い出のあれこれ。私は今ひとりの孫とたった二年半の歴史だけ。別れは命を終えたとき。涙を浮かべる私に作中のおじいさんが「ないてもいいけどなきすぎてはいけない」と優しく声をかけてくれた。愛しい愛しい孫へのメッセージ。2017/03/18