内容説明
本当は直子といっしょにいたかったのに、カコ達の華やかさにもひかれていた。いつのまにか直子をひとりにしてしまった後ろめたさ。学校に来なくなった直子の机をみて、澄子は思い悩む。
著者等紹介
草野たき[クサノタキ]
1970年神奈川県生まれ。実践女子短期大学卒業。『透きとおった糸をのばして』で第四〇回講談社児童文学新人賞、第三〇回児童文芸新人賞を受賞
北見葉胡[キタミヨウコ]
1957年鎌倉生まれ。武蔵野美術短期大学卒。ボローニャ国際絵本原画展入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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著者の生き様を学ぶ庵さん
27
娘から借りた児童文学。女子の人間関係はふとした事から180度変わり、陰湿な苛めが始まるのに時間はかからない。主人公・澄子の母、教室で孤立を志向する孤高の女・間島さん、澄子が離れていった直子が女社会での生き方を陰に陽に指南するが、小5の澄子が身体で分かるのは、親しかった哲子・香胡から熾烈な苛めを受けた時。哲子・香胡を選ぶか、直子を選ぶかというレベルの低い二者択一を想定して読みましたが、重い現実を突き付けられました。恐るべし、草野文学。2016/04/23
わむう
18
ブックトークの候補として。主人公は小学校5年の澄子。クラス替えで3年生からの仲良しの大人しい直子と同じクラスになれた。同じクラスで同じ塾に通う派手なカコ達とも仲良くなり始め少しずつ直子とは疎遠になってしまい、直子は不登校になってしまう。「大人しいからって弱いわけじゃない。静かだからって何も感じてないわけじゃない」のフレーズが心に沁みた。2016/07/25
頼ちゃん
13
小学生の女子なら良くある話。直子や澄子はかっこいいと思うけど、澄子のお母さんの言葉はわかるようなわからないような。先生が全く何もしていないのも気になった。2017/12/03
がる
10
小学生のうちに「心の強い大人になる」と決心できた澄子。かっこいいし、実際強い大人になれるだろうと思う。大人になってから強くなりたいと思っても、遅いんだよね(自分。)2012/07/13
まげりん
8
明るく大円団で終わるタイプかと思ったら、おっとどっこい!「ここ、詳しく知りたい」と思うとこが端折られてた。でも、そこを書いちゃ野暮なんだろうな。だからこそ、最後がググッと生きてきた気がする。間島さんも直子もカッコいい。これが強さだと読者に訴える。カコとてっちゃんのノリに流されていくスミは過去の私であり、不登校から脱しようとしている高1長女だ。お母さんの「諦めるのは、悪いことじゃないの。よく考えて選び直すことよ。」が胸に刺さる。スミはちゃんと選びなおした。長女よ、頑張れ!2017/11/15