内容説明
小学校卒業が間近にせまった珠緒は、母親とともにデパートに卒業式の洋服を買いに行く。今まではずっと母親の言いなりになっていた珠緒だったが、今日こそは自分の好きな洋服を買ってもらおうと決意していた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
14
珠緒の母は、自分の子供がこうであるべき像と違ったことをするのを決して許してくれない。珠緒も機嫌を悪くされて、傷つくことをいわれたくなくて我慢する。デパートで自ら迷子になり…。最後がちゃんと記憶もそのままで、珠緒が母とどうなったかまであるべきだと思った。2018/09/21
memo
4
耳が痛い本でした。私も娘にこんな風に押しつけてるんだろうなと反省。リアルなのにちょっと異空間なお話。宮下さんの本、好きだなぁ。2011/08/09
Manari
3
大人の顔色をうかがった子供時代をおくった大人には、昔の傷を掘り起こすようでちと辛いかもしれない。この子の気持ちは痛いほどわかるし、大人にもいろいろあるんだよなあ。 これ子供が読むの?とも思えるような、読み応えでした。はっきりとした未来で締めくくられてはいなく、読む人に委ねられる感じ。 珠緒は、異世界なのか、空想なのかわからない舞台で、謎の女の子と過ごしながら、心が揺れ動く。大人はわかってくれないから逃げ続けるのか、ちゃんと向き合って生きるのか。友達との関わり方も気づく事あったり。2018/09/06
てらさか
3
さくらとあんずの家族が毒親で読んでいてつらかった。2012/02/19
にゃこ
2
四谷大塚のテキストで一部を読んで、あまりに気になったので、図書館で借りて読んだ。今は絶版になっちゃってるのかな?どこも売り切れで残念。 あんずとさくらが自分の過去と重なり、涙なしには読めなかった。微細な感情表現、情景の描写も見事で、思いがけない展開、結末もすばらしかった。心に深く残る一冊となった。2023/12/02