内容説明
「白い枝」「息を殺せ」「虫」「素朴な琴」など代表作七十六編を収録。
目次
1 うつくしいもの(冬;おもひ ほか)
2 白い枝(無題;白い枝 ほか)
3 桃子(ふるさとの川;ふるさとの山 ほか)
4 彫られた空(息を殺せ;暗光 ほか)
5 花がふつてくると思ふ(山吹;花がふつてくると思ふ ほか)
著者等紹介
八木重吉[ヤギジュウキチ]
詩人。1898年、東京府南多摩郡堺村(現・町田市相原)に生まれる。東京高等師範学校卒業。在学中にキリスト教の洗礼を受け、卒業後は英語教師となって、教育と信仰と詩作に励んだ。結婚して1男1女に恵まれるが、結核を得て、1927年に若くして病没した。第一詩集『秋の瞳』と、没後に刊行された第二詩集『貧しき信徒』がある
伊藤英治[イトウエイジ]
1945年、愛媛県に生まれる。編集者。書評新聞「図書新聞」、雑誌「日本児童文学」を経て、編集プロダクション恒人社に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フム
25
読書会のレジュメ担当が次回に迫っているために、手に取る本が課題本関連に偏っていることにすこし疲れて、図書館の棚の間をぼんやり歩いていた。詩のコーナーで立ち止まり、久しぶりに詩集を読んでみようと思った。タイトルの『素朴な琴』をみて、ああ、秋だったな、と美しい風景の中で息を吸い込むような気持ちになった。とても好きな詩人。無垢な心を感じる。何度でも読みたい。八木重吉の詩を読んだ心で、秋の日どこかを散歩して自然を楽しみたくなった。2019/10/29
Accoco
3
そういえば最近、詩が足りていなかった。八木重吉の詩は静謐、死、優しい眼差し、自然へ、子供へ。有名なのは『素朴な琴』、季節柄好きだったのは『春』 春は かるく たたずむ さくらの みだれさく しづけさの あたりに 十四の少女の ちさい おくれ毛の あたりに 秋よりは ひくい はなやかなそら あぁ けふにて 春のかなしさを あざやかにみる 一昔前Eテレでやってた『心よ』こころよ ではいっておいで… ロック調な曲と歌われていて好きだった。もうひとつの『心よ』という詩と合わせて、ロック魂のある詩なんだなぁ。2023/03/14
宮古
3
今私が一番好きな詩人。どれも静かで切ない詩ばかりかと思ったら、子供とたわむれる姿があったり。死にたいばかりではなく、本当に家族を思う人だったんだなと思った。息が詰まるような詩集でした。改めて八木さんの詩集は購入したいです。2014/03/02
あなた
3
モノを詩にせず物自体として歌うこと。ひるがえって、自分というモノが軽くなり喪われてゆくこと。八木の詩のかるみはそこにある。物を詩にしてしまえば、仮託する自分を浮き彫りにしてしまい、詩が、ことばが重たくなってしまう。物そのものに物そのままに語らせること。そこからの転置によって語り手をふいうちのように雲散霧消させること。モノの呼気に耳をすます八木の素朴なことばのアクロバティックが詩集全編にしみわたっている2010/03/27
hiro6636
1
ほそい がらすが ぴいん と われました2020/06/01