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出版社内容情報
ライバーの表題作「けむりのお化け」の他に,グルーバー「13階の女」,クラン「怪物」の2編を収録した,珠玉の現代恐怖小説集! 小学生高学年から
内容説明
満員電車から外をながめていたとき、ランは、ザラザラしたコンクリート屋根の上に、ぶかっこうな黒い袋みたいなものがころがっているのに気づきました。それが、後にひどい目に会う怪物との最初の出会いでした…。フリッツ・ライバーの表題作「けむりのお化け」のほかに、クランの「怪物」、グルーバーの「十三階の女」の二編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
62
遂に最終巻。同時にこのシリーズに出逢っていたら家族との関係を早くに割り切れて楽に生きれただろうと思うと今、出会ったのがちょっと、遅かったのが残念である。再読の「十三階の女」は異界が日常に溶け込む不思議を描いた正統派怪談。執筆当時としては画期的なテーマだったのに驚きました。「怪物」も再読。何度、読んでも人の身を捨ててまでも やっと再会した夫婦の会話が哀しい。怪物は殺されたのだろうか、それとも・・・。同時に不確実な事象に対する報道の難しさをも抉り出している。「けむりのお化け」はとんでもない事を約束している事に2024/09/28
HANA
57
シリーズ最終巻。今回は異界へ迷い込んだり、得体の知れない怪物と遭遇したりとバラエティに富んだ巻となっている。やはりどれも名作揃いだが、個人的に気に入ったのは何と言ってもジェラール・クラン「怪物」。怪物出現の方を聞いてからの一般市民の不安、それがある事を切っ掛けに崩壊していく様は実に怖い。他にも最近の怪談に多い、存在しない場所に迷い込む先駆けみたいなフランク・グルーバー「十三階の女」。正体不明の物に遭遇してしまった男が最終的に取った行動が光るフリッツ・ライバー「けむりのお化け」もそれぞれ魅力的でありました。2024/09/02
Kouro-hou
21
児童向けにリライトした怪奇小説全集10/10。全集大トリの表題作は、謎の怪物に付きまとわれる男の話で、内容的にはマシスン「2万フィートの悪夢」に似てるんですが、主人公の過去がわりととんでもなく当方は「リング」を思い出しました。さらっと嫌な事が書いてある結末の解釈も何通りかありそう。あまり他で翻訳・掲載はされてない中篇のようですが、この眼のモチーフが全巻に共有されていたり矢野先生には思い入れがあるのかも。それにしてもこの全集、ハッピーエンドは数えるくらいしかなかったな…。児童向けだからって容赦はありません。2015/12/04
くさてる
19
児童向けホラーアンソロジー最終巻。グルーバー「十三階の女」こういう古典的な幽霊譚は大好きです。クラン「怪物」の独特な迫力も読み応えあり、ライバー「けむりのお化け」はもやもやする読後感が、傑作の証拠なんだろうなと思う。良いアンソロジーシリーズでした!2024/09/07
hannahhannah
12
「十三階の女」と「怪物」と「けむりのお化け」の三編収録。「怪物」のマリオンさんがサザエさんにしか見えなかった。Meg & DiaのMonsterやskilletのMosnterを思い出した。二曲とも良い曲です。このシリーズ10冊再読完了。2015/12/19