出版社内容情報
心の深いところで悲しく結ばれる小十郎とくまを描いた表題作の他,山男の四月/狼森と笊森,盗森/鹿踊りのはじまりなどを収録。 小学生中学年から
内容説明
撃つものと撃たれるものの因果な関係にありながら、心の深いところでかなしく結ばれる小十郎とくまを描く名作「なめとこ山のくま」のほか、賢治の愛した岩手の風土が色に濃くあらわれる作品8編を収める。巻末に堀尾青史氏による詳細な解説を付記。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nyanko
15
熊出没のニュースが多いので、手に取ってみた。人の都合ばかりで熊が悪者みたいな報道の仕方にモヤモヤしてたから読んで良かったです。 共存するってこういうことなのかなと思いました。2024/01/12
テツ
1
賢治作品コレクションとして古本で購入。「これが死んだしるしだ。死ぬとき見る火だ。熊ども、ゆるせよ」小十郎は熊を殺し日々の糧にするしかない生きることへの悲しみ、弱肉強食の理、そういった物に疲れきっていた。熊の「おお小十郎おまえを殺すつもりはなかった」という言葉。しかし熊の手により彼は悲しみに満ちた世界からようやく離れることができた。生きることは悲しい。小十郎は狩る対象としていた熊の手によりようやくこの世界から、このサイクルから抜け出すことができた。これは悩み苦しむ人間が救われる物語。2013/03/26
朔麻
0
動物を集めた話が多い。世界観がいい。2011/04/18