内容説明
若い時の拡大思考に代わって、ささやかな日常性に目を留めることへ、動的思考に代わって、静的思考の持つ豊かさへ。新しい希望の地平を拓いてくれる著者渾身の書。
目次
中年期の生き方
向きを変えて出発せよ
人間になる歩み
凛として生きる
学びたい存在としての人間
広がる世界
同信の友を得る
同労者の死
隠された特権
後継者づくり
新しいパートナーの出現
残された日々と本
祖父母の祈り
励まし合うこと
静寂の持つ力
食を控える
教会の再建のために
著者等紹介
工藤信夫[クドウノブオ]
1945年、秋田県に生まれる。弘前大学、大阪大学において精神医学を学ぶ。アメリカの南メソジスト大学およびベイラー大学医学部に留学。淀川キリスト教病院精神科医長、ルーテル学院大学社会福祉学科教授を経て、平安女学院大学教授。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
54
【夕闇にも、また別の光があった】63歳に至って、同世代を生きる者たちの思索を導く一助になればと、先生ご自身の心境が綴られた書。2008年刊。<団塊世代は多くの喪失に見舞われる時期です。同労者の死、子どもの死、配偶者の死、そして自分自身の死。/辛く悲しい出来事です。しかし、“人間は希望の存在”ですから、何かそこに“光や希望”“期待”があってもよいのではないでしょうか。/もし私たちが初心に戻って、生涯一求道者の初心に戻りさえすれば、人間は最期の瞬間まで心の量りを広げる旅を続けていくことができる>と。ええ……⇒2025/09/16
magichour
0
「どうにもならないことに抵抗するか、耐えるか、避けるか、諦めるか、要するにそれを拒み続けるのか、それともそれを受け容れ、引き受け、自分の生きる道をそこに認めるのか、前者は人生を私物として固執する構えであり、後者は人生を預かり物として返上する構えです。」2021/07/04