内容説明
木彫りの小人ウイミックたちの住む村に、それはそれは有名なウイミック、ベス・ストーバルがやって来た。すてきなベスのグループに入れるのは、彼女と同じ特別な森のカエデの木でつくられたウイミックだけ。「カエデは最高。マツやニレはまあまあ、最低なのは弱いヤナギ」ベスの言葉を聞いたウイミックたちは、どの森の何の木でできているかで、おたがいを分けへだてするようになっていった。そんな中、たった一人、ヤナギの木でつくられた小人のパンチネロは、仲間はずれになってしまう。「どうしてヤナギなんかでできているんだろう」とつぶやくパンチネロに、つくり主の彫刻家エリはやさしく語りかける。「おまえはわたしが望んだとおりのウイミックだよ。おまえは、ヤナギでこそ最高なのだ」と。
著者等紹介
ルケード,マックス[ルケード,マックス][Lucado,Max]
アメリカの人気作家。とくに、ストーリーをもちいて深い真理を語ることにおいて群を抜く巧みさをもっている。テキサス州サンアントニオにあるオークヒルズ・チャーチの牧師でもある
マルティネス,セルジオ[マルティネス,セルジオ][Martinez,Sergio]
メキシコ出身のイラストレーター。「ピーター・パン」「ピノキオ」「クリスマス・キャロル」など古典の美装版のイラストを手がけ、世界的に高い評価を得た
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひほ
15
『ヤナギには、ヤナギにしかない良さがあるのさ』です。2014/06/11
なま
6
★4.3 木彫りの小人ウィミックの村にベスがやって来た。ベスのウィミック会員クラブに入れるのは彼女と同じ堅くて艶のあるカエデの木で出来たウィミックだけ。クネクネ曲がる弱い柳の木で出来たパンチネロは握手も拒まれてしまう。ベスが来てから、小人達はどんな木でできているかを気にし出し、村中が他者をさげすんだ。しかし、小人作りのエリはどんな木にもその木にしかない良さがあると。険悪な村はどうなるのか・・。シリーズ全体を通し、ありのままの自分が最も素敵であり、他者には真似できない能力・資質を備えていると訴える。15分。2024/10/30
オリーブ
4
強くて輝いているものは目立つし、優位に立てることが多いけど、弱く脆いからこそその存在価値があるってことに気づけたら良いな~。2014/07/21
活字中毒
2
何の木で出来たウイミックかで区別する世界は、差別社会を示唆している。カエデでできたウイミックにも悪い所はあるし、ヤナギでできたウイミックにも良いところがある。これは良い、これは悪いと生まれたときから変えられないものを区別してはいけないことを教えられた。【図書館本】2020/12/09
ヒラP@ehon.gohon
2
階級って何だろう。 人間だって他者と自分を識別したい気持ちと同一化したい気持ちがあって、人より優位に立ちたいし、孤立は避けたい。 だから仲間探しをするとともに、自分が優越感を持てる対象を探す。 それが積み重ねられると、階級が生まれる。 いったい自分はどの位置にいるんだろう。 人種は階層ではなくて、それぞれの個性。得意なことや苦手なことがある。 差別化を持ち込んだカエデから作られたストーバル。 危機を救ったのは最低階層と決めつけられたヤナギでできたパンチロネ。 4作目にして、パンチロネは英雄になりました。 2009/12/04
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- 和書
- 原始古代社会研究 〈3〉