感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さゆ
105
木の人形の世界では星シールとダメシールが貼られ、パンチネロはダメシールばかり貼られて自信がない。シールが全く貼られてないルシアに出会い、勧められた場所に行くと自分を作った人がおり、そこでの温かい言葉によりシールが少し剥がれ始めるという話。唯一神が前提のキリスト教世界が元だが、現代日本人の多くは、慣習上の仏教というほぼ無宗教である。創造主がいなくとも自己価値を持つためには、日本人はやはり人と人との関り合いの中で互いの価値を認めあっていくことが大事なのではと思った。因みにキリスト教幼稚園の卒業で貰った大事な本2023/12/09
Willie the Wildcat
65
愛情。他者への愛情もあれば、自己への愛情もある。悩んでいる時など、本質に気がつかないこともある。でもどこかで愛してくれる人がいる。そして世の中で、本当に大切なことに気がつく・・・。重厚感の中に溢れる優しい絵。特に、エリの包み込むような優しさ。子供以上に、大人の心に響く気がする。折にふれ読み直すと心の癒しになるような印象。良かったぁ~!2013/01/13
テルテル
62
最高傑作の絵本。人は誰しも良い評価をされたいと願う。ダメな人間であると思われたくない。だから、毎日人の目ばかり気にする。『ナイスシール』『ダメシール』を貼られ、毎日が不安の連続。誰がどう思っていようが関係ない。貴方を産んでくれた母親、見守る家族は、誰がどう評価しようとも、貴方を必要な存在だと思っている。『ナイスシール』や『ダメシール』がどんなに沢山貼られてもシールの価値なんてどうでもいい。貴方が健康で幸せであればいいのだ。貴方が貴方らしく生きていくことで他人の評価なんて気にせず前へ住めばいい。負けないで!2015/05/02
めしいらず
61
いつから人目ばかりを気にして、開けっぴろげな自分でいられなくなったのだろう。誰だって褒められれば嬉しい。有頂天にもなるだろう。腐されれば落ち込むし、そればかりだと「どうせ自分なんて」と引っ込み思案にだってなる。でも、それってどちらも他人が押し付けたい「こうあるべき自分」であって、決して「こうありたい自分」の姿ではない。容姿の美醜や才能の有無など、目に見えるものはその人の一部しか語らない。当たり前のことの何と見え難いことか。他人の評価に捕らわれず、常にニュートラルな自分でいられたら。そう思わせてくれる本。2013/05/09
けんとまん1007
56
みんな、それぞれ、大切な存在なのだ。存在するということは、存在すべき意義があるから。でもね、そこで勘違いすると、悲しいことになるんだ。人からどう思われるかばかりを気にしていると、どんどん自分本来の姿と離れていってしまうんだ。と、思いつつも、なかなかこうなりきれないのが、一般的なんだと思う。でも、何かのおりに、ふと、思い出せばいいんだ。2016/05/08