内容説明
インスリンポンプとCGMをうまく使いこなせば、糖尿病合併症の予防とQOL(生活の質)の向上を両立できます。というのは、インスリンポンプを使えば、食事内容や運動量に応じたインスリンの調節が簡単にできるので、「糖尿病の治療に合わせて生活する」のではなく、「生活に合わせて糖尿病を治療する」ことが可能となるからです。また、CGMを使うと、血糖値の変動パターンがよくわかるだけでなく、これから血糖値がどう変化していくかを予測することができます。これらを組み合わせると、からだがインスリンを分泌するのとほとんど同じように血糖をコントロールするための強力なツールとなり得るのです。この本には、それぞれの機器の仕組みや役割から、基礎レートとボーラスの設定方法、食事や運動時の調節、さらには学校生活や旅行時の注意点、スキンケアの重要性まで、実際の糖尿病治療に役立つヒントがたくさん書かれています。著者のフランシーヌ・カウフマン医師はインスリンポンプおよびCGMをもちいた治療の世界的な第一人者ですし、エミリー・ボレニアン看護師は1型糖尿病の当事者でもあります。患者さんと医療従事者のどちらが読んでも役に立つ内容を、わかりやすい言葉で解説してくれます。
目次
第1部 基本的なことについて(糖尿病について知っておいてほしいこと;インスリンポンプの概要)
第2部 インスリンポンプのいちばん大切なところ(わたしのインスリンポンプはどういう仕組みになっているの?;基礎レートのすべて ほか)
第3部 データのアップロード、CGM、クローズドループについて(分析目的でポンプやCGMのデータをアップロードする方法;CGMの実際 ほか)
第4部 病気のとき、旅行、学校(特殊な状況について:シックデイ、入院したとき、インスリンポンプ療法を休止するとき;旅行とインスリンポンプ、CGM ほか)
第5部 インスリンポンプ療法とCGMに適応する(年齢に応じた能力;インスリンポンプ療法とCGMの心構え ほか)
著者等紹介
カウフマン,フランシーヌ・R.[カウフマン,フランシーヌR.] [Kaufman,Francine R.]
医師、南カリフォルニア大学ケック医学部特別名誉教授(小児科学)、同大学アネンバー・コミュニケーション学部特別名誉教授(コミュニケーション学)。シカゴ医科大学を卒業後、長きにわたってロサンゼルス小児病院に勤務。2009年までロサンゼルス小児病院内分泌・糖尿病・代謝センター長。メドトロニック社糖尿病部門の最高医務責任者(CMO)兼副社長を務めたのち、センシオニクス社CMOに就任。2002年から2003年まで米国糖尿病協会(ADA)会長を歴任
ボレニアン,エミリー[ボレニアン,エミリー] [Boranian,Emily]
看護師。5年間に及ぶ1型糖尿病の臨床研究、主に人工膵臓の臨床試験に携わったのち、看護学の学位と糖尿病教育証明書を取得。20年以上にわたり糖尿病に罹患しながらも、インスリンポンプやCGMで糖尿病を管理し、旅行やさまざまなスポーツの競技に成功している。コロラド州デンバー在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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