目次
1 黒い群れの女王
2 白雪姫と王妃
3 白いオフィーリア
4 ユーディットの微笑み
5 裏返しのピエタ
6 ファッションの変貌
7 ウィーンのファッサーデ
8 王妃の物語 皇妃エリーザベトとウィーンの音楽
9 女性性との思想的対決
10 闇の女王を越えて
著者等紹介
原研二[ハラケンジ]
1951年3月8日宮城県仙台市に生まれる。1974年東北大学文学部卒業、同大学大学院に進学。1977年東北大学文学部ドイツ文学研究室助手。1978年筑波大学現代語・現代文化学系助手。1978年‐80年ボン大学、ザールラント大学留学。1981年筑波大学現代語・現代文化学系講師。1986年東北大学文学部ドイツ文学専攻分野助教授。1995年東北大学文学部ドイツ文学専攻分野教授。1997年東北大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻分野教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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take0
20
2010年刊。著者が専門としたドイツ文学の作家ローベルト・ムージル『生徒テルレスの或乱』に登場する「黒い群の女王」という表現から出発し、グリム童話の白雪姫、ミレイ「オフィーリア」、クリムト「ユーディット」、19世紀後半ウィーンの建築やオペラ、思想家等へと話題を拡げ、世紀転換期における西欧文化に通底した時代的心性を浮かび上がらせようとする試み。魅力的な論題と文学批評やフェミニズム論とも交叉する展開で、もっと深く掘り下げて欲しいと一寸感ずるも、本書が闘病中の執筆であり遺著であることを知って力作と言うしかない。2018/12/25
ごましお
2
19世紀末のヨーロッパ文化について。読みやすい文章で初心者でも楽しい。ファムファタルかっこいいなあ2013/12/25
きょう
1
軽い読み物として手に取ったが、ドイツ語圏の世紀末の文学史の足掛かりとしても悪くない。時代背景やその時代の文化を知ることが、文学を理解するのにどれほど重要かを痛感。2013/11/18
うさこ
1
軽い読み物として。好きなミレイのオフィーリアが挿絵であったので。若い人であまり幅広く知らない人には、いろんな繋がりなど一気にわかっていいかも。2013/05/10
くらげ
1
グリム童話と世紀末の思想、建築、絵画その他の比較を読んで、意識する、しないにかかわらず、文学にはそのときの時代背景、風潮が現れ出でるものなのか、と感じた。時々出てくる砕けた語り口に、著者のおちゃめさが垣間見えた。2013/04/23