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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
106
素晴らしい本だ。パーキンソン病のお母様のケアを通じて、著者が巡らす深い思索に胸がいっぱいになる。自己責任を強調する「正義の倫理」と全く異なる「ケアの倫理」。介護を通じて、改めて、母のこれまでの深い愛情や自分の傲慢さに気づいた著者。手が震えて弁当がうまく食べられない母に「お母さん、なんであやまるん。私が小さい時、お母さん時間かけて食べさせてくれたやん」と言える著者の心映えに目頭が熱くなる。祖母や父の思い出、お母様のケアの実態を語りながら、英文学者である著者が読み解く古今の名作の解説も見事。本当にいい本だ。2026/01/13
とよぽん
47
小川公代さん初読み。英文学者。お母さまの介護をすることによってコスパ・タイパを行動基準に立ち働いてきたそれまでの生活を変えざるを得なくなり・・・。ケアに二通りあるというのが強く印象に残った。「ケア・フォー」は直接的で具体的な行為によって世話をすること。「ケア・アバウト」は気にかけているという意味で、身体を介在させずともお金や第三者によってケアする。小川さんは、ケア・アバウトになりがちであったのを、お母さんの訴えによってケア・フォーに重心を移していく。その過程での気づきやエピソードが素晴らしいと思った。2025/12/23
ズー
23
こんな素晴らしい家族がいるとは…!その時代にそんな生活をしていたなんて、祖母が唱え続けたこと、父が切り開いたこと、母がサポートしたこと…こんな生活楽しそう幸せそうと思うけれど、そんな家族になぜこんな試練が色々起きているのか…。主に小川さんとその母の話、あと家族の話なんだけど、どのエピソードも面白くて、得るものがある。小川さんが母を励ますために毎回物語を語るのもよかった。誰も1人では生きていけない。周りが自分が大変なことになったら、この本を読んだら色んな助けになりそう。「ケア」を色々考えさせられた。2026/01/15
三井剛一
20
英文学者の著者の母親がパーキンソン病を患ったことをきっかけに、ケアのあり方を考え直す物語。私は、医療職で、ケアに関わる機会が多いゆえに、変な常識に囚われていた。ケアする側は、強く・自立しているべきと考えていた。弱さがあるからこそ、対等な相互依存的な関係を築けるのかもしれない。ケアする側を、固定化せず、押し付けない。個人の自立ではなく、人に頼れる関係性の構築が大事。ケアの循環がうまくめぐるように。ケアの際は、効率・合理化を脇に置き、その瞬間、現在に注意を向ける。正しく「ゆっくり」寄り添う。2026/01/08
ムーミン2号
10
著者のお母様が難病に罹患されてしまい、「ケア」を実践せざるを得なくなったその記録。でありながら、「ケア」とは何かを文学作品も含めて様々に示してくれている書だと思う。特に個人的に印象的だったのはカフカの『変身』の読み解きで、虫に変身した兄を介護する妹グレーテの視点での読みも可能だし、それはそれで考えさせられるものだと気付かされた。ケアの実践よりも取り上げられている作品の数々の方が気になって、読んでみたくなりつつ、さて自分の「ケア」度は? などと思いながら読んだことだった。2025/12/28
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