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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
111
素晴らしい本だ。パーキンソン病のお母様のケアを通じて、著者が巡らす深い思索に胸がいっぱいになる。自己責任を強調する「正義の倫理」と全く異なる「ケアの倫理」。介護を通じて、改めて、母のこれまでの深い愛情や自分の傲慢さに気づいた著者。手が震えて弁当がうまく食べられない母に「お母さん、なんであやまるん。私が小さい時、お母さん時間かけて食べさせてくれたやん」と言える著者の心映えに目頭が熱くなる。祖母や父の思い出、お母様のケアの実態を語りながら、英文学者である著者が読み解く古今の名作の解説も見事。本当にいい本だ。2026/01/13
ネギっ子gen
73
【ケアは「現在」起きていることへの注視であり、その「現在」や「今ここ」を犠牲にしないことだ】文学を通じて「ケア」を語ってきた著者が、パーキンソン病と診断された母に導かれ到達した新ケア論を綴る書。巻末に注。「あとがき」で、<常識も非常識も全部ひっくるめて、できることをやってみようの精神。/先達のおかげで、わたしも世間の声ではなく母の声にじっと耳を傾けることができたのかもしれない。母は、「ノマド」になった。わたしたちはその遊牧の民である母に付き従い、行けるところまで行こうとする、迷える必殺ケア人である>と。⇒2026/06/02
とよぽん
51
小川公代さん初読み。英文学者。お母さまの介護をすることによってコスパ・タイパを行動基準に立ち働いてきたそれまでの生活を変えざるを得なくなり・・・。ケアに二通りあるというのが強く印象に残った。「ケア・フォー」は直接的で具体的な行為によって世話をすること。「ケア・アバウト」は気にかけているという意味で、身体を介在させずともお金や第三者によってケアする。小川さんは、ケア・アバウトになりがちであったのを、お母さんの訴えによってケア・フォーに重心を移していく。その過程での気づきやエピソードが素晴らしいと思った。2025/12/23
yyrn
26
子供時代は反抗的で不良だったというけれど、本当の不良は大学教授になんかなれませんってw。パーキンソン病という徐々に身体の自由が利かなくなる病を患った高齢の母親と向き合うことで考え、感じたことを、昔の家族との思い出や、専攻の英文学の中に現れるケアについての考察などとともに、優しい口調で語り綴られていく本。参考にしたくなる話や共感するエピソードは多く、親のケアを負担に感じてきている人や、そんな感情を持ってしまった自分に少しがっかりしている人が読むと良いと思った。心のもやもやを少し整理してもらえたように思う。2026/04/23
ズー
26
こんな素晴らしい家族がいるとは…!その時代にそんな生活をしていたなんて、祖母が唱え続けたこと、父が切り開いたこと、母がサポートしたこと…こんな生活楽しそう幸せそうと思うけれど、そんな家族になぜこんな試練が色々起きているのか…。主に小川さんとその母の話、あと家族の話なんだけど、どのエピソードも面白くて、得るものがある。小川さんが母を励ますために毎回物語を語るのもよかった。誰も1人では生きていけない。周りが自分が大変なことになったら、この本を読んだら色んな助けになりそう。「ケア」を色々考えさせられた。2026/01/15




