感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
42
べてるの家を設立し唯一無二の存在に仕立てた向谷地さんのルーツとは一体。独特な当時者研究の手法は如何にして確立されたのか、また、オープンダイアローグとの相違点等、かねてより知りたかったことが全部書いてあった。大興奮のうちに読了。2025/09/24
ぐっち
20
べてるの家の向谷地さんの話。幻覚さんをそのまま受け入れて聞く話が改めてすごい。向谷地さんのご家族や過去の話もあり、幻覚さんとの距離の取り方が絶妙なのだと思った。この数十年で病名も変わり、対応方法もだいぶ変わったのだろう。世の中が向谷地さんに追いつけるといいなと思った。2025/09/14
チワ
9
幻覚妄想の聞き方、捉え方が今までの常識(?)と全然違って、これなら私ももっと早くよくなったかも知れないなと思った。こんなやり方があるのか。特別寄稿は難しくてよくわからなかった…。2025/05/11
きゅー
8
べてるの家ではなく、向谷地生良個人を対象として書かれた本は初めてかも。白眉は生良と彼の兄妹との鼎談。彼の生活史はこれまで表に出てこなかったけれど想像以上に過酷な少年期だと知った。また、彼には統合失調症の弟がいるというのも初めて聞いた。おそらく意図的に話題にしなかったのだろう。一時、彼の家族は「鬱と、統合失調症と、レビー小体型認知症、末期がん」の4人が揃っていたそうだが、それを聞いた編集者の白石正明が「すごい!マージャンで言ったら満貫みたいな」とツッコミを入れたのに笑った。この白石さんもすごい人だよ。2025/04/18
チェアー
6
中動態という補助線を引いてみると、べてるの取り組みは少しわかりやすくなるように感じる。話を聞く人も、患者もどちらも能動的であるようにも見えて、受動的でもあって、お互いに話をするたびに少しずつ立場は変わる。話しているうちにどちらが話しかけたかとか、どちらの話題がとか言う区別がなくなっていき 、一つの混濁した存在にたどり着く。2025/06/03