感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チワ
8
幻覚妄想の聞き方、捉え方が今までの常識(?)と全然違って、これなら私ももっと早くよくなったかも知れないなと思った。こんなやり方があるのか。特別寄稿は難しくてよくわからなかった…。2025/05/11
きゅー
7
べてるの家ではなく、向谷地生良個人を対象として書かれた本は初めてかも。白眉は生良と彼の兄妹との鼎談。彼の生活史はこれまで表に出てこなかったけれど想像以上に過酷な少年期だと知った。また、彼には統合失調症の弟がいるというのも初めて聞いた。おそらく意図的に話題にしなかったのだろう。一時、彼の家族は「鬱と、統合失調症と、レビー小体型認知症、末期がん」の4人が揃っていたそうだが、それを聞いた編集者の白石正明が「すごい!マージャンで言ったら満貫みたいな」とツッコミを入れたのに笑った。この白石さんもすごい人だよ。2025/04/18
チェアー
6
中動態という補助線を引いてみると、べてるの取り組みは少しわかりやすくなるように感じる。話を聞く人も、患者もどちらも能動的であるようにも見えて、受動的でもあって、お互いに話をするたびに少しずつ立場は変わる。話しているうちにどちらが話しかけたかとか、どちらの話題がとか言う区別がなくなっていき 、一つの混濁した存在にたどり着く。2025/06/03
uchiyama
2
ヴィーゼルの「夜」に、書かれてはいないのに読んでしまった、「自分は決して幸せになりませんから」という言葉が象徴する、「不条理が渦巻く世界で、この世的には無残な形で亡くなっていった人たち」に対しての、そして「自分が背負った経験」に対しての、連帯への覚悟の凄みと、そこからこそ生み出される「おかしみ」。「他者の苦しみへの責任」を、こんなに(ほんとはすごい重量のはずなんだけど、とにかく一見は)軽々と背負おう、とする人がいるとは。2025/09/01
purjus
2
あえて苦労にとびこんでいく向谷地さん。クリスチャンなのに教会でこんなきれいなところにいたらまずいと思い離れる向谷地さん。ポケットからスッとティッシュ取り出すみたいに相手を信頼する向谷地さん。尊&敬2025/07/01